2013年09月24日

ヤンソンス&バイエルン放送響のチャイコフスキー:交響曲第5番/交響的幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」


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全体の仕上がりは見事なまでの高水準で、ヤンソンス円熟の演奏といったところであろう。

ヤンソンスのアプローチは至極まっとうで、十分な迫力を持ちながらも繊細さを保ち、全曲をしっかりとまとめている。

チャイコフスキーの「第5」は良く言えば豪華絢爛だが、悪く言えばセンチメンタリズムなところがあり、作曲者自身も自作の装飾過剰について自己嫌悪気味の発言をしていたようだ。

ところが、これはセンチメンタルのセの字もないような筋肉質でマッチョ系のチャイコフスキーだ。

全体的に遅めの安定感のあるテンポを持続させた、重量級のアンサンブル展開が素晴らしく、その圧倒的なダイナミック・レンジといい、バイエルン放送響のアンサンブルのズシリとしたバスのふくよかな量感といい、強奏時の圧し掛かるようなトゥッティの凄い質量感といい、すこぶる聴き応えのある、まさに重厚な感触のチャイコフスキーが披歴されている。

したがって、どこもかしこも立派でケチをつけるところは皆無なのであるが、他方、生命力溢れる力強さとか、個性といったものがいささかも感じられないのが、難点とも言える。

相変わらず楽譜の読みは緻密で、たとえば第3楽章ではホルンのゲシュトップト奏法を浮き立たせて、甘美なワルツの背後に暗い影を感じさせるが、全体としてはもう一息で、ヤンソンスならではの個性を刻印して欲しかった。

オーケストラの技術の高さも実に見事であり、立派な演奏であることは認めるが、ヤンソンスならば、今一歩レベルの高い演奏を望みたいところだ。

むしろ、併録の「フランチェスカ・ダ・リミニ」の方が素晴らしい。

これは、かつての若き日のヤンソンスを思わせるようなパワフルで力強い迫力が持ち味であり、同曲演奏史上最高の名演の一つと言っても過言ではないと高く評価したい。

SACDマルチチャンネルによる極上の高音質録音も見事である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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