2013年09月28日

パイヤールのバロック音楽小品集


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本盤には、パイヤールが得意とするバロック音楽の小品が収められているが、いずれも素晴らしい名演と高く評価したい。

現在は、ピリオド楽器の使用や現代楽器を使用した古楽器奏法などが一般化している時代である。

バッハやヘンデルなどのバロック音楽の演奏はもとより、そうした演奏様式の波は、ハイドン、モーツァルト、そしてベートーヴェンなどの古典派音楽にまで及び、ついにはシューベルトやシューマンなどのロマン派音楽にまで広がって来ている。

しかしながら、そうした古楽器奏法やピリオド楽器による演奏は広範に普及しつつあるものの、芸術的な感動を覚える演奏というのはまだまだ少数派だと言えるのではないか。

要は、内容が伴っていないということであり、音楽学者にとっては歓迎すべきことであるのかもしれないが、真に芸術的な感動を求める我々聴き手からすれば、嘆かわしい事態に陥っていると言わざるを得ない。

アルビノーニやバッハ、ヘンデルなどによる楽曲は、かつてはクレンペラーやフルトヴェングラー、カラヤンなどの大指揮者が、それこそ大編成のオーケストラを活用して、重厚な演奏を繰り広げていたのだ。

そうしたかつての重厚長大な演奏を、大時代的であるなどと批判する者が高名な音楽評論家の中にもおられるようであるが、仮に時代考証学的には問題があっても、芸術的な感動を覚えることができるのであれば、そのような問題は実に些末なことと言えるのではないだろうか。

筆者としては、音楽を聴くということは、芸術的な感動を得たいがためであり、音楽を研究することが目的ではないことをあらためて銘記しておく必要があるのではないかと考えている。

パイヤールが指揮するバロック音楽は、まさに、かつての錚々たる大指揮者による演奏に連なるシンフォニックな演奏ということが可能だ。

そして、パイヤールはフランス人であるだけに、重厚さ一辺倒ではなく、音楽に独特の洒落たセンスが満ち溢れており、いい意味での硬軟バランスのとれた名演に仕上がっている点を高く評価したい。

また、本盤で素晴らしいのは、XRCDによる極上の超高音質録音である。

本盤の録音は1975年であるが、今から約35年以上のものとは思えないような鮮明な音質に生まれ変わっているのは殆ど驚異的であるとさえ言える。

パイヤールによるシンフォニックでセンス満点の名演を、現在望み得る最高の音質で味わうことができることを大いに喜びたい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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