2013年10月11日

ライナー&シカゴ響のバルトーク:管弦楽のための協奏曲


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バルトークの最晩年の傑作である「管弦楽のための協奏曲」にはこれまで多数の録音がなされ、その中には名演との評価がなされているものも数多く存在している。

そのような中で、録音から50年以上が経過してもなお、これまでの同曲のすべての名演に冠絶する至高の超名演こそは、本盤に収められたライナーによる演奏であると考える。

本演奏におけるライナーのアプローチは、テンポは幾分速めであり、全体として引き締まった筋肉質の演奏である。

他の指揮者による演奏が、聴かせどころのツボを心得たわかりやすい表情づけを随所に施しているのに対して、ある意味ではいささかも微笑まない辛口の演奏で一貫しているとさえ言えるほどだ。

しかしながら、演奏全体に漲っている気迫や張り詰めた緊張感には尋常ならざるものがあり、我々聴き手の心胆を寒からしめるのに十分なものがある。

また、一聴すると何の飾り気もない各フレーズの随所から滲み出してくるような奥深い情感には、抗し難い魅力が満ち溢れている。

これは、ライナーの同曲への深い理解や愛着とともに、同曲に込められたバルトークの心底にあった寂寥感や絶望感などを敏感に感じ取っていたからに他ならない。

このような楽曲の心眼に鋭く切り込んでいくような彫りの深い表現は、バルトークと親交があり、バルトークと同じ苦難の時代を生きたライナーだけが成し得た究極の演奏とさえ言えるだろう。

ライナーの確かな統率の下、これ以上は求め得ないような完全無欠の演奏を披露したシカゴ交響楽団の卓越した技量も、本名演に大きく貢献しているのを忘れてはならない。

これだけの歴史的な超名演だけに、これまでSACD化やXRCD化など高音質化への取り組みがなされているが、筆者としてはXRCD盤の方をより上位に置きたいと考える。

前述のように50年以上も前のスタジオ録音であるが、XRCD化によってきわめて鮮明な音質に蘇ったところであり、ライナーによる超名演をこのようなXRCDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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classicalmusic at 21:42コメント(2)トラックバック(0)バルトーク | ライナー 

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コメント一覧

1. Posted by いの つよし   2012年07月01日 19:09
素晴らしい評論ですね。プロのようです。
2. Posted by 和田   2012年07月01日 19:48
いの つよしさん、コメントありがとうございます。
またのご来訪をお待ちしております。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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