2013年10月16日
小林研一郎&チェコ・フィルのドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」ライヴ in プラハ
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2008年に発売され、名演の誉れ高かったスタジオ録音の直後に行われたライヴ録音の待望の発売だ。
スタジオ録音と比べて基本的な解釈には変更はないが、終楽章を除いてテンポが速くなっており、いかにもライヴにおいて燃えまくる「炎のコバケン」の面目躍如たる劇的な名演と高く評価したい。
第1楽章冒頭は、ドヴォルザークの指示どおりゆったりとしたテンポで開始するが、主部に入ると小林節が全開。
テンポはめまぐるしく変化し、うねるような音楽が連続する。
それでいて全体の造型にいささかの狂いもないのは、小林が「新世界より」の本質をしっかりと掴んでいるからにほかならない。
第2楽章は深沈たるテンポで情感溢れる指揮ぶりであるが、中間部の終結部分での対旋律の生かし方は実にユニークな解釈。
第3楽章は決然とした開始で力強い解釈であるが、特に、終結部の盛り上がりはいかにも小林ならではのド迫力だ。
終楽章も小林ならではの熱狂的な指揮ぶりで、小林のうなり声もついに頂点に達する。
演奏終了後の聴衆の熱狂、そしてスタンディングオベーションも当然のことのように思われる。
それにしても、これだけ個性的な解釈を示した小林に、ぴたりと付いていったチェコ・フィルの好演も特筆すべきである。
むしろ、チェコ・フィルの小林への絶大なる信頼感がこれだけの名演を成し遂げることに繋がったと言えるのではないか。
録音は、マルチチャンネルはないもののSACDによる極上の音質であり、エクストンとしてもかなりの成功例と言える名録音である。
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