2013年10月17日
清水和音&アシュケナージのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 楽興の時(ピアノ・ソロ)
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楽興の時が超名演だ。
卓越したテクニックの下、力強い打鍵と、それと対照的な情感あふれる耽美的とも言うべきロシア的抒情の美しさ。
これらを駆使した各楽章の描き分けは見事と言うほかはない。
前奏曲と比較すると、録音の点数も少なく、知る人ぞ知る地位に甘んじている同曲ではあるが、このような超名演に接すると、そうした評価が非常に不当なもののように思えてくる。
SACDによる極上の高音質も、この超名演の価値をより一層高めることに貢献しており、おそらくは、同曲の録音史上のベストワンの地位に君臨する至高の超名演と高く評価したい。
他方、メインのピアノ協奏曲第3番は、決して凡演とは言えないものの、このコンビならば、もう一段レベルの高い演奏を成し遂げることが可能だったのではないかと、少々残念な気がした。
かつてのホロヴィッツや、最近では、キーシンやヴォロドス、ランランなどの名演が次々に生まれている状況に鑑みれば、そのような中で存在感を示すには、少々のレベルの演奏では困難だというのは自明の理である。
断わっておくが、本盤も決して凡庸な演奏ではなく、いい演奏ではある。
清水が尊敬するアシュケナージの抜群のサポートを得て、清水本人にとって最も特別なレパートリーである同曲を渾身の演奏で繰り広げていることは確かだ。
しかしながら、前述のような名演に慣れた耳からすると、インパクトがあまりにも少ないということだ。
SACDによる録音も、楽興の時に比べると、いささか鮮明さに欠ける気がした。
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