2013年10月16日
小林研一郎&アーネム・フィルのチャイコフスキー:交響曲第4番
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小林は決してレパートリーの広い指揮者ではない。
しかしながら、レパートリーとして選ばれた限られた楽曲については、何度も繰り返して演奏(録音)して、その解釈を極めて行こうとする。
そのような小林にあって、チャイコフスキーの交響曲は、その限られたレパートリーの中核をなす最重要の作品と言えるだろう。
既に、日本・フィル、チェコ・フィルと2度にわたり全集を完成しているが、現在ではアーネム・フィルとの全集録音を開始した。
当該全集に含まれる本盤の「第4」は、過去の2度の全集や番外編であるライヴ録音を経て、4度目の録音に当たるが、おそらくは小林のこれまでの「第4」の演奏中、最高の名演であると評価したい。
第1楽章の序奏部のファンファーレは中庸のテンポであるが、主部の第1主題は実に遅い。
しかしながら、決してもたれるということはなく、彫りの深いコクのある表現をしているのが印象的だ。
第2主題の心の込め方も尋常ならざる美しさであり、展開部の冒頭のファンファーレ主題が繰り返される箇所の劇的な表現は凄まじい迫力だ。
第2楽章は中庸のテンポで開始するが、中間部のメランコリックで濃厚な抒情は、これぞロシア音楽の粋と言えよう。
第3楽章はゆったりとしたテンポをとるが、これほど内容の濃い表現は他に類例を見ないほどだ。
終楽章は決然とした力奏で開始するが、終結部の猛烈なアッチェレランドの凄まじさは、これぞ「炎のコバケン」の面目躍如たるものであろう。
録音は、SACDによる極上の高音質であり、マルチチャンネルがないにもかかわらず、これほどまでに臨場感溢れる音響がするのは実に素晴らしいことだ。
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