2013年10月20日

カラヤン&ベルリン・フィルのブルックナー:交響曲第7番


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カラヤンによるブルックナーの交響曲第7番の録音としては次に掲げる3種存在している。

最初のものは本盤のベルリン・フィルとの演奏(1970〜1971年)(EMI)、次いで、その後、カラヤンによる唯一のブルックナーの交響曲全集に発展していくことになるベルリン・フィルとの演奏(1975年)(DG)、そして、史上最高のレコーディング・アーティストであったカラヤンによる最後の演奏・録音となったウィーン・フィルとの演奏(1989年)である。

言うまでもなく、さすがにそこまで断定的な言い方をしなくとも、大方の音楽ファンは、カラヤンによる同曲の最高の名演と言えば、最後の録音でもある1989年盤を掲げるのではないだろうか。

ただ、それは、通説となっているカラヤンの個性が発揮された演奏ではなく、むしろ、カラヤンの自我が影を潜め、只管音楽そのものに奉仕しようという、音楽そのものの素晴らしさ、魅力を自然体で語らせるような趣きの演奏に仕上がっており、もちろん、筆者としても、至高の超名演と高く評価をしているが、全盛期のカラヤンの演奏とはおよそかけ離れたものとも言えるところだ。

そうなると、カラヤン&ベルリン・フィルが蜜月時代にあり、しかも全盛期にあった1970年代の2種の録音に、カラヤンの個性が表れていると言えるが、5年しか離れていないにしては、この両者の演奏の装いは大きく異なっている。

EMIとDGというレコード会社の違い、ダーレムのイエス・キリスト教会とベルリン・フィルハーモニーホールという会場の違いもあるが、それだけでこれだけの違いが生じるというのはおよそ信じ難いところだ。

カラヤン的な個性、カラヤン&ベルリン・フィルの全盛期ならではの演奏の豪快さ、華麗さと言った点においては、1975年のDG盤の方にその特色があらわれていると言えるだろう。

これに対して、本盤の演奏は、むしろ、この時期のカラヤンとしては極力自我を抑制し、イエス・キリスト教会の残響を巧みに生かした荘重な演奏を心がけているとさえ言える。

その意味では、至高の超名演である1989年盤に繋がる要素も存在していると言ってもいいのかもしれない。

流麗なレガート、ここぞという時のブラスセクションの迫力などは、いかにも全盛期のカラヤン、そしてベルリン・フィルならではのものであるが、それがいささかも外面的なものとならず、常に内容豊かで、音楽の有する根源的な迫力をあますことなく表現し尽くしているのが素晴らしい。

カラヤンは、同時期に第4番も録音しているが、演奏自体は断然、本演奏の方が優れており、1988年のウィーン・フィルとの第8番、そして前述の最後の録音となった1989年の第7番と併せて、カラヤンによるブルックナーの交響曲演奏の3強の一角を占める素晴らしい名演と評価してもいいのではないかと考えているところだ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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