2013年10月24日

カラヤン&ベルリン・フィルのベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」(1976年スタジオ録音)


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



カラヤンは4度にわたってベートーヴェンの交響曲全集をスタジオ録音しているが、その中でも最もカラヤンの個性があらわれた演奏は、1975〜1977年に録音された3度目の全集であると言えるのではないだろうか。

この当時のカラヤン&ベルリン・フィルの黄金コンビはまさに全盛期を迎えていた。

分厚い弦楽合奏、ブリリアントなブラスセクションの響き、桁外れのテクニックをベースに美音を振り撒く木管楽器群、そして雷鳴のように轟きわたるティンパニなどが、鉄壁のアンサンブルの下に融合し、およそ信じ難いような超絶的な名演奏の数々を繰り広げていた。

カラヤンは、このようなベルリン・フィルをしっかりと統率するとともに、流麗なレガートを施すことによっていわゆるカラヤンサウンドを醸成し、オーケストラ演奏の極致とも言うべき圧倒的な音のドラマを構築していた。

とりわけ、3度目の全集においてはかかる音のドラマは健在であり、中でも当該全集の掉尾を飾る本盤の交響曲第9番の演奏は、おそらくは同曲のスタジオ録音史上でも最高峰の音のドラマが構築されていると言っても過言ではあるまい。

そして、このような卓越した音のドラマは、フルトヴェングラーなどによる音楽の内容の精神的な深みを徹底して追求した名演とはあらゆる意味で対極にある演奏であると言えるが、筆者としては、演奏芸術の在り方は多様であるべきと考えており、そもそも次元が異なる両名演の優劣を云々するのはそもそもナンセンスであると考えている。

なお、一昨年、1977年にカラヤン&ベルリン・フィルが来日した際の普門館でのライヴ録音が発売され、中でも第9番はカラヤン自身が演奏の出来に満足したこともあって圧倒的な超名演に仕上がっており、演奏の質だけをとれば本演奏よりもより上位に掲げるべきであるが、音質やオーケストラの安定性などを総合的に勘案すれば、本演奏も当該普門館ライヴ盤に十分に比肩し得る至高の超名演と高く評価したい。

独唱は、ソプラノのアンナ・トモワ=シントウ、メゾ・ソプラノのアグネス・バルツァ、テノールのペーター・シュライアー、そしてバリトンのジョゼ・ヴァン・ダムという、いわゆるカラヤンの旗本とも言うべき超豪華歌手陣の揃い踏みであるが、本演奏でもその名に恥じない圧倒的な名唱を披露してくれているのが素晴らしい。

そして、いささか技量に問題があるウィーン楽友協会合唱団も、本演奏ではカラヤンの卓越した指揮に導かれて、持ち得る実力を最大限に発揮した渾身の熱唱を展開しているのが見事である。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 21:33コメント(0)トラックバック(0)ベートーヴェン | カラヤン 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ