2013年10月26日

クレンペラーのシューマン:交響曲第1番「春」、「マンフレッド」序曲


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本盤には、クレンペラーがニュー・フィルハーモニア管弦楽団(厳密に言うと、第4番はフィルハーモニア管弦楽団)とともにスタジオ録音したシューマンの交響曲全集のうち、第1番及び「マンフレッド」序曲が収められているが、いずれも素晴らしい名演と評価したい。

クレンペラーの本演奏におけるアプローチは、悠揚迫らぬゆったりとしたテンポで曲想を重厚に描き出していくというものだ。

ブラスセクションなども力奏させることによって、いささかも隙間風の吹かない剛毅にして壮麗な音楽が紡ぎ出されており、全体の造型も極めて堅固である。

木管楽器などを比較的強く吹奏させて際立たせるのもクレンペラーならではであるが、全体に独特の格調の高さが支配しているのが素晴らしい。

交響曲第1番の緩徐楽章等における情感の豊かさにもいささかも不足もなく、いい意味での剛柔バランスのとれた演奏に仕上がっているのがクレンペラーのシューマンの特徴と言えるだろう。

全集の中でも交響曲第1番は最も優れた超名演として、これまで多くの音楽評論家によって絶賛されてきたところだ。

「春」という標題が付いているだけに、シューマンの交響曲の中では明朗で詩情に満ち溢れた楽曲であるが、クレンペラーは前述のような剛柔バランスのとれたアプローチによって、同曲に込められた豊かな詩情を実に巧みに描き出しているのが素晴らしい。

演奏のテンポは誰よりも遅いが、その遅さ故に彫りの深い濃密な味わいが滲み出していると言えるところであり、本演奏は、その奥深い味わい深さと言った点に鑑みれば、同曲の様々な演奏に冠絶する至高の超名演と評価しても過言ではあるまい。

一方、「マンフレッド」序曲も極めて優れた名演奏だ。

同曲には、フルトヴェングラーがベルリン・フィルとともに録音した超名演(1949年)が存在しており、それはいかにもフルトヴェングラーならではのドラマティックな豪演であった。

これに対して、クレンペラーは微動だにしないインテンポで曲想を描き出して行くが、その威容は余人を寄せ付けないような風格を兼ね備えていると言えるところであり、格調の高さという意味においては、前述のフルトヴェングラーによる超名演にも肉薄し得る素晴らしい名演と高く評価したい。

音質は、従来CD盤でも比較的満足できる音質であったが、数年前にARTによるリマスタリングも施されたことによって、音質は更に鮮明になるとともに音場が幅広くなったように感じられるところであり、筆者も当該リマスタリングCD盤を愛聴してきたところだ。

しかしながら、今般、ついに待望のSACD化が行われることによって大変驚いた。

リマスタリングCD盤とは次元が異なる見違えるような、1960年代半ばの録音とは信じられないような鮮明な音質に生まれ変わった。

いずれにしても、クレンペラー、そしてニュー・フィルハーモニア管弦楽団による素晴らしい名演を、SACDによる高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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