2013年10月29日

カラヤン&ベルリン・フィルのチャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」、スラヴ行進曲、イタリア奇想曲


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カラヤンはチャイコフスキーを十八番としていた。このうち、交響曲については「第4」、「第5」、「第6」のいわゆる後期3大交響曲については、何度も繰り返し演奏を行い、録音もライヴ録音も含め相当点数が遺されている。

ところが、「第1」、「第2」、「第3」を含めた交響曲全集は一度しか録音していない。

もっとも、独墺系の指揮者でチャイコフスキーの交響曲全集を録音した指揮者は、現時点でもカラヤン1人だけであることから、むしろ全集を録音したこと自体が希少価値と言えるのかもしれない。

そして、「第1」、「第2」、「第3」であるが、カラヤンはコンサートでは一度も採り上げたことがない。

ということは、全集を完成させるためにのみスタジオ録音を行ったということであり、ここに史上最高のレコーディングアーティストたるカラヤンの執念のようなものを感じることが可能だ。

本盤に収められた「第3」は、カラヤンが1970年代後半に録音した唯一の全集中の1枚である。

1970年代後半は、カラヤン&ベルリン・フィルが黄金時代の最後の輝きを見せていた時代であり、演奏の安定感においては、カラヤンの半世紀にもわたる長いレコーディング史の中でも群を抜いていたと言える。

本演奏でも、この黄金コンビの全盛期の演奏を聴くことが可能であり、一糸乱れぬ鉄壁のアンサンブル、朗々と響く金管楽器や木管楽器の卓越した技量、肉厚の弦楽合奏、雷鳴のように轟くティンパニを駆使しつつ、流麗なレガートを施して、楽曲を徹底的に美しく磨き抜いている。

まさに、オーケストラ演奏の極致と評すべき演奏であり、その重量感のある迫力においては、他の指揮者によるいかなる演奏をも凌駕している。

「第3」は、ロシア風の民族色豊かなメランコリックな抒情を描出した名演が他の指揮者(とりわけロシア系の指揮者)によって成し遂げられているが、これだけの圧倒的な音のドラマを構築したカラヤンの演奏との優劣をつけること自体が相当に無理があると考えられるところであり、筆者としては、本演奏をカラヤン全盛時代の演奏の凄さを感じさせる素晴らしい名演と高く評価したい。

併録のスラヴ行進曲とイタリア奇想曲も、聴かせどころのツボを心得た演出巧者カラヤンの面目躍如たる名演だ。

ただ、スラヴ行進曲の終結部での反復が省略されているのが残念であるが、これはベルリン・フィルを指揮した他の指揮者による演奏でもそのようになっており、ベルリン・フィルが使用している楽譜自体に問題があるのかもしれない。

録音については、かつてSACDハイブリッド盤が発売されており、それもなかなかの高音質であったが、本盤のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤はそれをはるかに凌駕する究極の高音質である。

カラヤン&ベルリン・フィルの黄金時代の演奏の凄さを、現在望み得る最高の鮮明な音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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