2013年11月05日

ムター&プレヴィンのチャイコフスキー&コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



本盤に収められたチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、ムターによる15年ぶり2度目の録音になる。

最初の録音は、最晩年のカラヤン、そしてウィーン・フィルとの演奏(1988年ライヴ)であった。

当該演奏においても、ムターは決してカラヤンの言いなりになっていたわけではなく、むしろ、自由奔放とも言うべき個性的な演奏を展開していた。

したがって、当該演奏については、巨匠カラヤンによる枯淡の境地をも感じさせる味わい深い名演奏とも相俟って、現在においても燦然と輝く名演である。

これに対して、本演奏は、ムターの個性がさらに深まったと言っても過言ではあるまい。

ムターのヴァイオリンは、いささかも線の細さを感じさせない骨太の音楽づくりが際立っているが、これによって、同曲の演奏に必要不可欠な強靭な迫力や豊麗さが過不足なく表現し尽くされている。

そして、同曲の特徴でもあるロシア風の民族色豊かな美しい旋律の数々を、ムターは格調の高さをいささかも不足することなく濃密に歌い抜いており、その妖艶な美しさには聴き手を酔わせるほどの抗し難い魅力に満ち溢れている。

また、粘ったような奏法や、土俗的とでも言うべき思い切った表情づけを、いささかの格調の高さを失うことなく随所において行っており、楽曲の細部に至るまで彫琢の限りを尽くした演奏を展開している。

このように、音楽のスケールは一段と大きくなるとともに、表情づけなども格段に濃厚になってきており、これはムターの円熟の至芸と言ってもいいのではないだろうか。

このような超個性的なムターのヴァイオリンを下支えしているのが、夫君であるプレヴィンとウィーン・フィルであるが、ムターのヴァイオリンを巧みに引き立てるとともに、聴かせどころのツボを心得た名演奏を展開しているのが素晴らしい。

他方、コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲はプレヴィンの十八番であり、何度も録音を繰り返してきた楽曲ではあるが、現代音楽にしては親しみやすい旋律に満ち溢れた同曲を、ムターは格調の高さを保ちつつ、濃厚なロマンティシズムに満ち溢れた情感豊かな名演奏を展開しているのが素晴らしい。

録音は本従来盤でも十分に満足できる音質である。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 21:54コメント(0)トラックバック(0)ムター | プレヴィン 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ