2013年11月15日
クナッパーツブッシュ&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第7番
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1949年8月30日、ザルツブルクでのライヴ録音で、これはLP時代から何度再発されてきたか数えきれないほど有名な録音だ。
クナッパーツブッシュとウィーン・フィルによるこの録音は、それが残されていたことに深く感謝したいかけがえのないディスクである。
というのはクナッパーツブッシュが「ブル7」をスタジオ録音しないまま鬼籍に入ってしまったからである。
クナッパーツブッシュのブルックナーはそのどれもが格別の名演で、この「第7」にも1963年のケルン放送響との録音もあるが、この巨匠の音楽が最良の状態で打ち出されるのは、やはりウィーン・フィルを得た時と考えるのが妥当であろう。
ウィーン・フィルの美しい音色が、クナッパーツブッシュの骨格の太い解釈に豊かな雰囲気をもたらしている。
本盤では改訂版を使用し、なおかつクナッパーツブッシュ独自の解釈を加えた演奏だ。
さすがに雄渾な表現で、感興が泉のごとく湧き出し、ライヴ特有の気迫が凄い。
そしてウィーン・フィルのまろやかでブレンドの良いサウンドで綴られたこの「第7」は、この指揮者ならではの巨大で悠然とした音楽の流れが絶品であるほか、旋律の粘り強いロマン的な表情もが独自の魅力を放っており、辛口の大人の味つけが聴き手を魅了する。
ただ、これはクナッパーツブッシュのひとつの名演だが、全てがユニークであることも、また事実である。
クナッパーツブッシュといえば、「練習嫌い」で有名だが、この演奏に破綻はなく、彼の指揮に付いて行けるウィーン・フィルだからこそできる演奏だと思う。
ウィーン・フィルの往年の響きと相俟って深い感銘を与える一盤である。
1949年のライヴとしては極上といってよい明瞭な音質であることも、演奏の味わいを一層深いものにしている。
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