2013年12月04日
ブラームス:交響曲第1番/シューマン:ピアノ協奏曲(ボレット/ロンドン・フィル/テンシュテット)(1984, 1990)
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故テンシュテットとロンドン・フィルのコンビは多くの名盤・名演を残したが、BBC放送音源をCD化したこのブラームス「第1」のライヴ演奏は極めつけに凄い。
1990年の録音で、テンシュテットが癌のためロンドン・フィルの音楽監督を退き、桂冠指揮者となって闘病生活を送りつつ演奏活動を行っていた時期の演奏。
テンシュテットの命の炎をふりしぼるような指揮にロンドン・フィルが感応し、冒頭から熱気溢れる演奏で、感動の第4楽章まで一気に走り抜ける。
壮絶きわまりない演奏で、とても闘病生活中の指揮とは思えない。
作品にふさわしい、堂々と力強く、気宇の大きいブラームスだが、テンシュテットの特色は、強壮な中にも意外なほど繊細な感性をもっていることにある。
終楽章で息の長いフレージングが、悠揚と高潮してゆく劇性も素晴らしい。
ロンドン・フィルの響きが艶やかに磨かれ、旋律のなめらかさがブラームスの晦渋さを救っているのもこの演奏の魅力である。
この曲の名演・名盤は数多くあるが、ライヴ演奏では真っ先に本作を筆者は推薦したい。
テンシュテットはここでも全身全霊を音楽に傾ける姿勢が顕著な演奏内容となっている。
ボレットはシューマンのピアノ協奏曲をシャイーとスタジオ・セッション録音(1985年)をしており、その堅実な演奏内容は素晴らしく充実していたが、ボレットもまた、スタジオ録音よりはライヴで真価を発揮する名うてのヴィルトゥオーゾ。
シューマンの狂気は、テンシュテットとの顔合わせであるこちらのほうがはるかに色濃いといえるだろう。
そしてボレットとテンシュテットのライヴならではのスリリングな競演が、これまた素晴らしい。
いずれも音質良好で、ファンを釘付けにするのは必至と思われる。
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