2013年12月05日
バレンボイムのショパン:夜想曲集
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全部で21曲収録されていたバレンボイムによるショパンの夜想曲全集から、最も人気のある13曲を抜き出して選集としたもの。
イギリスの作曲家フィールドに影響されて作曲したと伝えられるショパンの夜想曲は、彼の諸作品のなかでもきわめてロマンティックな曲が数多く含まれている。
ショパンは生涯に20数曲の夜想曲を作曲したが、このアルバムでは映画に使用されて有名になった甘美な第2番を始め、人気の高い作品が新たに選曲されている。
指揮者としても縦横無尽の活躍を続けるバレンボイムの、ピアニストとしての活動を如実に示す1枚。
よくいえば清潔で醒めた演奏だが、受け取り方によってはやや魅力の少ないショパンにも聴こえる。
ショパンのロマン的な一面を過度に強調しがちだった古い世代のスタイルに対する反省があるからだろうか。
感情過多な表現を抑制したクールな語り口で、透明で美しいショパンを作り出している。
決して規範を踏み外さないクールなショパンである。
指揮者であることも関係するのだろう、曲をすっかり手の内に入れて、余裕をもって音楽を聴き手に届ける。
決して攻撃的にならず、聴かせどころを外さず、1曲ごとの物語を豊かに紡ぐ。
決して技術が曲想をはみ出すことがなく、夜想曲集はバレンボイムのピアニズムに合っている。
仕事で疲れた頭や耳を静かに巧みに癒してくれる感じで、聴いていると、自然にうっとりさせられる。
唯一の後悔は、輸入盤で手に入る全曲盤を買うべきだったか、ということ。
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