2013年12月10日

ティーレマン&ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲全集


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現代の世界の一流オーケストラは、英国系やイタリア系、ロシアを含めた北欧系の指揮者に席巻されていると言っても過言ではあるまい。

ベームやカラヤンが全盛期を迎えた頃の独墺系の指揮者が大活躍をしていた時代とは隔世の感があると言ってもいいのではないだろうか。

昨年、大往生を遂げたザンデルリンクも2002年には指揮活動から引退しており、そのような状況の中で、指揮者として壮年期を迎えつつあるドイツ人指揮者ティーレマンにかけられた期待は極めて大きいものと言わざるを得ない。

歌劇場でキャリアを積んできたという経歴も、独墺系の指揮者の伝統に根差したものであり、ティーレマンの今後の更なる発展を大いに期待したい。

ウィーン・フィルは、ベートーヴェンの交響曲全集をこれまでイッセルシュテット(1965〜1969年)、ベーム(1970〜1972年)、バーンスタイン(1977〜1979年)、アバド(1985〜1988年)、ラトル(2002年)と録音をしてきているが、イッセルシュテット、ベーム、バーンスタインは別格として、アバドやラトルは、ウィーン・フィルとの全集録音後ベルリン・フィルの芸術監督に就任しており、ウィーン・フィルのティーレマンに対する期待を感じさせるとともに、本全集は今後のティーレマンのキャリアアップに繋がる一大エポックメーキングと言えるのではないだろうか。

演奏は、まさに独墺系のかつての大指揮者によるベートーヴェンの交響曲の演奏の伝統に根差した重厚にしてシンフォニックなドイツ色の濃い演奏と言えるところだ。

近年では、ピリオド楽器の活用や、現代楽器を使用した古楽器奏法などが、ベートーヴェンの交響曲の演奏様式の主流になりつつあるが、ティーレマンによる本演奏は、そうした軽妙浮薄な演奏への強烈なアンチテーゼとさえ言えるだろう。

楽譜も、定番化しつつあるペンライター版ではなく、旧来のブライトコプフ版を使用するという徹底ぶりであり、将来を嘱望された独墺系の指揮者による意地の名演とさえ言えるところだ。

ウィーン・フィルの各奏者も、ティーレマンの指揮に心から共感して渾身の名演奏を行っているようであり、近年の軽妙浮薄なベートーヴェンの交響曲演奏を苦々しく思っていた聴き手には、まさに一服の清涼剤のように、懐かしき故郷に帰省したような気持ちになると言っても過言ではあるまい。

いずれにしても、本盤に収められた各交響曲の演奏は、決して古色蒼然ではなく、軽妙浮薄な風潮に毒されているが故に存在意義が極めて大きい、そして、むしろ新鮮ささえ感じさせる素晴らしい名演と高く評価したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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