2013年12月12日
ヴァント&北ドイツ放送響のムソルグスキー=ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」/チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(ボレット)
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長らく待ち望んだ正規盤としての発売が、またひとつ実現した。
ヴァントが北ドイツ放送響首席指揮者就任後、初の定期公演の『展覧会の絵』(1982年)と、ボレット独奏のチャイコフスキー第1番(1985年)という魅力的なカップリングでの登場だ。
ヴァント&北ドイツ放送響といえば、BMGによる重厚な雰囲気たっぷりの名演の数々が思い浮かぶが、今回正規初CD化の2曲はNDRのオリジナル・テープからCD化されたもので、まずその音質のあまりのクリアさに驚かされる。
音が残響で曇ることなく、細部まではっきり聴き取れるため、いままでの同コンビの印象も新たになるようで、ヴァント首席指揮者就任時の覇気あふれる『展覧会の絵』も「バーバ・ヤガー」から「キエフの大門」に至る崇高な盛り上がりなど無類の名演である(ちなみにBMG盤は1999年録音)。
チャイコフスキーでのボレットとの共演は圧巻の一語で、こちらも音質抜群。
緊迫感ただならぬものがあり、PROFILレーベル社主のギュンター・ヘンスラー氏の自薦する録音のひとつだということだ。
それだけに、このボレット&ヴァントのチャイコフスキーは、凄い。
凛として、かつ圧倒的な音楽的エネルギーの燃焼は、うかつに聴くと、はじきとばされかねない。
かといって、決して荒っぽい“爆演”ではなく、非常なエネルギーが持続して、極めて精緻に、集中・凝縮している。
繊細といえばこれほど繊細な演奏もなく、しかしその「繊細」は、ヤワじゃない。
これぞ硬派のチャイコフスキー、まさに偉大な演奏の記録だ。
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