2013年12月13日

ヨッフム&コンセルトヘボウのブルックナー:交響曲第7番、モーツァルト:交響曲第33番(1986年東京ライヴ)


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



このヨッフム死の半年前の記念碑的な来日公演については既にレビュー投稿済だが、ついにシングルレイヤーによるSACD盤で発売されることになったので改めて投稿する次第である。

ユニバーサルやEMIが揃ってSACD盤の発売に積極的になってからというもの、一時は瀕死の状態にあったSACDが急速に脚光を浴びるようになったというのは、パッケージメディアの良さを改めて認識させるという意味において、大変喜ばしいことである。

そうしたSACD復活の流れの中で、大指揮者による数々の来日公演のCD化で定評のあるアルトゥスレーベルが、先日のムラヴィンスキーの来日公演(1973年)のCD2点を皮切りとして、シングルレイヤーによるSACD盤の発売に踏み切ったのは、何と言う素晴らしいことであろうか。

アルトゥスレーベルによるSACD化第2弾として、何を発売するのか筆者としても非常に興味を抱いていたところであるが、今般選ばれた音源は、いずれも文句のない歴史的な名演揃いである。

特に、ヨッフムの最後の来日公演でのブルックナーの交響曲第7番は、今でもファンの間で語り伝えられている歴史的な超名演であり、今般のシングルレイヤーによるSACD化によって、鮮明かつ臨場感溢れる極上の高音質に生まれ変わった意義は極めて大きいものと言わざるを得ないところだ。

それにしても素晴らしい超名演だ。

ブルックナーの権威として自他ともに認めるヨッフムであるが、巨匠ヨッフムとしても死の半年前という最晩年になって漸く成し遂げることができた最高の名演奏と言えるのではないだろうか。

ヨッフムによる本演奏は、後年のヴァントや朝比奈などによって確立された、いわゆるインテンポを基調とした近年主流となったブルックナー演奏とは必ずしも言い難い。

テンポの振幅も大胆に活用しているし、旋律の歌い方も熱きロマンティシズムにさえ満ち溢れているほどだ。

それでいて、演奏全体の造型はきわめて雄大。

楽曲の心眼に鋭く切り込んでいくような彫りの深さにおいては尋常ならざる凄みがあると言えるところであり、演奏全体としては、いわゆるブルックナーらしさをいささかも失うことがないというのは、まさにブルックナーの権威たるヨッフムの真骨頂と言えるだろう。

とりわけ、第2楽章のゆったりとしたテンポによる悠揚迫らぬ音楽の運びは、神々しいまでの崇高さを感じさせるほどであり、これはヨッフムが最晩年になって漸く到達し得た至高・至純の清澄な境地と言えるのではないだろうか。

併録のモーツァルトの交響曲第33番も、近年の古楽器奏法やピリオド楽器使用による軽妙浮薄な演奏とは正反対の、重厚にしてシンフォニックな名演であり、これぞ巨匠の音楽と言っても過言ではあるまい。

オーケストラがコンセルトヘボウ管弦楽団であったことも功を奏しており、ヨッフムの神々しいまでの統率の下、最高のパフォーマンスを発揮しているのが見事である。

いずれにしても、本盤は、演奏の素晴らしさ、そして極上の高音質(とりわけ、モーツァルトの交響曲第33番の演奏における艶やかな音色には抗し難い魅力が満ち溢れている)という、望み得る要素をすべて併せ持った至高の名SACDと高く評価したい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 21:08コメント(0)トラックバック(0)ブルックナー | ヨッフム 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ