2013年12月14日

リヒターのバッハ:マタイ受難曲 ハイライツ


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バッハのマタイ受難曲は、数多くの作品の中でもひときわ大きく聳え立つ傑作であり、人類最大の遺産のひとつに数えられる畢生の名作。

本盤は、その中から聴き所を抜粋した作品集。

バッハのマタイ受難曲をクラシック音楽史上最高傑作と評価するクラシック音楽ファンも多い。

こうした考え方が正しいのかどうかは別として、少なくとも大傑作の名に値する作品であることについては異論の余地がないところであろう。

これだけの大傑作だけに、かつてはメンゲルベルクやクレンペラー、そしてカラヤンなどの大指揮者によって、大編成のオーケストラと合唱団を使用した重厚な名演が繰り広げられていた。

ところが近年では、オーケストラにピリオド楽器を使用した演奏、古楽器奏法を駆使した演奏、さらには、各パートを一人ずつとするなど極めて小編成のオーケストラによる演奏等が現れてきており、加えて合唱団も少人数にするなど、かつてと比較すると軽妙な演奏が増えつつあるように思われる。

このように、マタイ受難曲の演奏様式は刻々と変化してきていると思われるが、録音から既に50年以上が経過しているにもかかわらず、現在でもその価値がいささかも色褪せない永遠の名演こそが、本盤に収められたリヒターによる1958年のスタジオ録音である。

ミュンヘン・バッハ管弦楽団は比較的小編成のオーケストラではあるが、いわゆるシンフォニックな重厚さにおいてもいささかも申し分ない。

演奏は、悠揚迫らぬテンポによる荘重さ、壮麗さが支配しており、常に気迫溢れる力強さと峻厳さを失っていないのが素晴らしい。

このようなリヒターの本演奏にかける凄まじいまでの集中力には殆ど驚異を覚えるほどだ。

全体の造型はきわめて堅固であるが、スケールは雄大の極み。

また、イエスの逮捕のシーンの劇的な迫力などにも凄まじいものがあり、ドラマティックな要素にも欠けるところがない。

まさに、同曲に込められた内容を音化し尽くした稀有の名演と言えるところであり、今後とも本名演を超える演奏を行うのは容易ではないと言っても過言ではあるまい。

独唱陣も極めて優秀であり、特に福音史家のエルンスト・ヘフリガーの入魂の名唱は、我々聴き手の肺腑を打つのに十分だ。

若きフィッシャー=ディースカウによるアリアにおける名唱も、演奏全体の緊張感の持続に少なからず貢献している。

ミュンヘン・バッハ合唱団やミュンヘン少年合唱団の歌唱も壮麗かつ清澄な美しさの極みであり、本名演に大きく貢献しているのを忘れてはならない。

この名演を初めて聴く人は、ハイライト盤ですまそうとは夢にも思わないで欲しい。

あくまでこの偉大な作品・演奏の全曲を聴く足掛かりだということを肝に銘じていただきたい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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