2013年12月19日
ジュリーニ&ロス・フィルのブラームス:交響曲第2番
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1980年11月30日 ロスアンジェルスのシュライン・オーディトリアムに於けるスタジオ録音。
ロス・フィル時代のジュリーニは「全盛期」で、数は少ないながらも名演を残している。
「運命」「ブラ1」「ブラ2」そして「ライン」(是は圧倒的名演)など、旋律を徹底的に歌うことで作品の魅力を十全に発揮させていた。
ジュリーニが手兵ロス・フィルと収めたブラームスの「第2」は、堂々の貫禄ともいうべき器量の大きさをもった演奏だ。
作品の目指した古典主義とロマン性の併存が明らかにされた名演である。
冒頭から遅めのテンポで細部を彫琢しており、悠揚とした呼吸で旋律美を大きく歌わせている。
重厚さと懐深さを兼ね備えており、ゆったりとした旋律の歌わせ方に特有のノーブルさが漂う。
全体にふくらみと厚みのある音楽だが、ジュリーニはそれに高貴な気品を与えており、外部と内面が完全に密着した表現が生まれている。
ジュリーニは、ブラームスの作品独自の重厚な音構造、和声感覚、ディテールの入念な動きをことごとく表出している。
例えば伴奏音型、対旋律、ふつうなら目立たない楽句も手にとるように表現している。
それもロス・フィルがジュリーニの手足の如く自在に力量を発揮し、緻密な演奏をする姿勢がなければ不可能だが、事実、オケは極めて質の高い水準を示している。
後年のウィーン・フィルとの録音よりも緊張感や推進力があるので、こちらを好む人が意外と多いかもしれない。
ジュリーニ&ロス・フィルのブラームスは「第1」の名演も録音されているが、残念ながら現在廃盤である。
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