2013年12月23日
ユンディ・リ/ショパン&リスト:ピアノ協奏曲第1番
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ユンディ・リ初の協奏曲アルバムだった。
2000年第14回ショパン国際ピアノ・コンクールの覇者、ユンディ・リ待望のショパン:ピアノ協奏曲第1番。
カップリングはリストのピアノ協奏曲第1番。
ロマン派ピアノ協奏曲で、最も有名なこれら2曲はまさに黄金の組み合わせ。
ショパン・コンクール優勝以来、着実な歩みを続ける人気・実力共に抜群のユンディ・リの詩情と情熱溢れる演奏は、6年間の実りに満ちている。
まさに録音の機が熟したといえる演奏は期待通りのものだ。
いずれも名演ではあるが、筆者としては特にショパンの方をより高く評価したい。
これまでにもマズルカ集やスケルツォ集などで数々の名演を成し遂げてきたユンディ・リにとっては、ショパンは特別な作曲家であるのではないだろうか。
ショパンならではのロマンティシズムに満ち溢れた名旋律の数々に彩られた同曲を、ユンディ・リは、その持前の卓越した技量をベースとしつつ、変幻自在のテンポ設定や、特に各楽章の頂点に向けての畳み掛けていくような強靭な打鍵、それと対置する繊細な抒情的表現などを駆使して、実に表情豊かに描き出しているのが素晴らしい。
特に、ユンディ・リの特徴でもある詩情に満ち溢れた情感の豊かさは、抗し難い美しさを湛えていると言えるところであり、いい意味での剛柔バランスのとれた素晴らしい名演に仕上がっている。
他方、リストについては、さすがにショパンほどの魅力はないが、それでも卓越したテクニックと強靭な打鍵をはじめとした表現力の豊かさは健在であり、本演奏を名演と評価するのにいささかも躊躇するものではない。
アンドリュー・デイヴィス&フィルハーモニア管弦楽団も、ユンディ・リのピアノを下支えする素晴らしい演奏を繰り広げており、本名演に大きく貢献しているのを忘れてはならない。
音質は本盤でも十分に満足し得る高音質録音である。
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