2013年12月27日
ノイマン&チェコ・フィルのドヴォルザーク:交響曲第7番&第8番(1991年東京ライヴ)
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ノイマン&チェコ・フィルのキャニオン・クラシックス録音をハイブリッドSACD化するシリーズ「ノイマン・ハイブリッド・シリーズ」の第2弾は、第1弾『新世界より』に続いてドヴォルザークのシンフォニー。
ファンにとって忘れ難い、同コンビ最後の来日公演からのライヴ・レコーディングである。
この頃のノイマンは、22年間務めてきたチェコ・フィル首席指揮者のポストを後輩ビエロフラーヴェクに託して自由な客演活動をしていた時期。
来日直前の10月にはウィーン・フィルの定期公演でヤナーチェクの『グラゴル・ミサ』を振って大成功を収めるなど、円熟の最中にあった。
当盤に収録された2曲からも、そんな両者の充実ぶりを感じ取ることができる。
特に第7番は、実況ならではの熱気も加わって気迫満点、遅めのテンポ設定による重量級アプローチで壮大なドヴォルザークを聴かせてくれる。
重厚で熟成されたチェコ・フィル・サウンドも格別で、首席の座を退いたとはいえ、名誉桂冠指揮者の称号を送って変わらぬ協調関係を保っていたノイマンとの名コンビぶりにはさすがに隙がなく、密度の高い、堅牢かつ深い味わいに富む見事な演奏で聴き手を魅了する。
第8番では、作品の性格を反映してか細部のニュアンスが豊富。
ソロ楽器の巧さ、第3楽章における弦楽セクションの美しさ、煽り立てるようなそぶりは示さないにもかかわらず感興を高めていく終楽章など魅力的である。
楽曲の隅々まで指揮者の意志と気力が横溢した1970年代の演奏とは趣が異なり、どこか懐古的な響きで満たされてるが、聴きながら、やはりドヴォルザークはノイマン&チェコフィルが最高、と納得してしまう名演奏だと思う。
そんなノイマンが最晩年に残した東京ライヴが、EXTONのリマスタリングでSACD化された。
20年以上前のライヴ録音なので、最新のDSD録音のような美麗かつ鮮明な録音ではないが、収録バランスは良好で、気になるような演奏上のミスもなく、楽章間の客席のノイズや終演後の拍手もカットされており、じっくりと演奏に浸ることが出来る。
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