2013年12月27日
ノイマン&チェコ・フィルのドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」/交響的変奏曲
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以前にキャニオン・クラシックスからリリースされていた音源をSACDハイブリッド化する「ノイマン・ハイブリッド・シリーズ」の第1弾で、今後はドヴォルザーク交響曲第7&8番、スラヴ舞曲や、一連のマーラーの交響曲が続々登場、とのこと。
1995年1月、チェコ・フィルとの終生の記録を永遠のかたちとして残したいという巨匠ノイマンの強い希望で実現した、最後の『新世界より』。
定番ともいえるノイマンとチェコ・フィルのコンビによる『新世界より』。
端正で細部まで磨き抜かれた演奏は、幾分玄人好みともいえるが、ノイマンの手腕には感服する。
メンバー全員との熱い絆で結ばれたノイマンの“うた”には、民族、歴史、社会など、人間を取り巻く全ての世界観がそこにあり、言葉では語れない音楽の底力に感動できる伝説の一枚となった。
チェコ・フィルの名手、ティルシャル(ホルン)、ケイマル(トランペット)、ヴァーレク(フルート)、キメル(オーボエ)等、ノイマンが信頼を寄せていた名手が勢ぞろいし、音楽音色ともに聴くものをしびれさせてくれる。
この作品のいろいろな演奏を聴く機会に恵まれてきたが、こんなにも慈しむような演奏は想像すらできなかった。
澄んだ響きで、ほとんど力むことも煽ることもなく、やや遅めのテンポでじっくりと丁寧に音が紡ぎ出されていく。
ダイナミックな楽章すら孤高の余情に打たれる。
ドヴォルザーク最後の交響曲が、あたかもマーラーやブルックナー晩年の作品を思わせるような深さを伴って再現されているようにすら思えた。
一聴して何の変哲もないようでありつつ、実にこの作品を愛し続けてきたノイマンとチェコ・フィルの驚くべき深みが、問わず語りのように静かに深く歌われている。
1993年の凛としたライヴ録音も素晴らしいが、この最後の録音はまた別格の味わいがある。
交響的変奏曲では対照的なまでにダイナミックでスケールの大きい迫力に満ちた響きで圧倒する力演である。
そして、本盤で素晴らしいのは、SACDによる極上の高音質録音である。
最晩年のノイマンとチェコ・フィルによる素晴らしい名演をSACDによる高音質で味わうことができるのを大いに噛み締めたい。
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