2013年12月30日
クレンペラー&ウィーン響のブルックナー:交響曲第7番
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1958年2月26日、各紙で絶賛されたコンサートのライヴ録音の登場だ。
ブルックナーを得意とする指揮者は少なくないが、その器の大きさという点で、クレンペラーと肩を並べ得るような人は、ほとんどいっていいほどいない。
その発想の奥深いこと、語り口が強靭で、男性的な逞しさと持っているということで、彼は他から際立った存在である。
どんな指揮者でも、彼のように、あるがままの姿でブルックナーの音楽を示すことは、容易には出来得ない。
その外観の大きさばかり気にとられていると、出来上がった演奏はまとまりのつかないものになりやすいし、また、いくら美しい旋律があるからといって、必要以上に飾りたてるようなことをすると、ブルックナーとしては的を得ないものになってしまう。
そのあたりの兼ね合いのようなものが、実に難しい。
クレンペラーは、それらのことを、無理なく、自然な振る舞いを持って、立派にやりぬくことのできる指揮者だった。
それができる数少ない指揮者だった。
このディスクは、そのようなクレンペラーの意義を如実に示しているものとして、きわめて高く評価されねばならないだろう。
クレンペラーがこの世を去ってしまってから、既に約40年。
我々は、指揮者の分野において、もはや彼のような巨大な存在は持てなくなってしまっている。
ブルックナーの音楽がよく聴かれるようになったにもかかわらず、このディスクのような、真にすぐれたブルックナーの演奏にふれる機会が少なくなりつつあるというのも、残念ながら、事実だ。
その意味で、このディスクは、現在の状況を考えるうえでの、ひとつの座標軸となりうるものと言えるのではないだろうか。
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