2022年07月01日
👍「ベルリン時代のクレンペラー」が、ついにRIASオリジナル・マスターより望みうる最高の音質で登場!RIAS レコーディングス👏
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「ベルリン時代のクレンペラー」が、ついにRIASオリジナル・マスターより望みうる最高の音質で登場した。
オットー・クレンペラー(1885-1973)が戦後ヨーロッパに復帰後のベルリンで、RIAS響および改称後のベルリン放送響を指揮したもので、ベートーヴェン、モーツァルト、マーラーほか巨匠ゆかりのプログラムを取り上げた注目の内容。
マーラーの推薦を得て、1907年にプラハで指揮者としてデビューしたのちのクレンペラーは、バルメン、シュトラスブルク、ケルン、ヴィースバーデンといった歌劇場の指揮者を歴任し、急速にドイツを代表する指揮者のひとりとして注目を浴びるようになるのだが、クレンペラーのキャリアのなかでも重要な活動として知られるものが、1927年に始まるクロール・オーパーでの仕事であった。
ベルリン国立歌劇場の一部門として創設されたクロール・オーパーでは、クレンペラーのもと、ヒンデミットの「カルディヤック」「今日のニュース」、シェーンベルクの「期待」「幸福な手」、さらにクレンペラー自ら演出を手掛けたストラヴィンスキー「エディプス王」「マヴラ」など同時代の作品が積極的に紹介されると同時に、旧来の有名な曲目に対しても新しい現代的な演出が試みられるが、その意欲的な試みは多くの支持と反発を引き起こすことになった。
さらに、折からのドイツ経済の危機的状況とナチスに代表される右翼の圧力から、1931年に劇場は閉鎖に追い込まれてしまい、1933年ついにクレンペラーはナチス・ドイツ政権を逃れてアメリカ合衆国に移住した。
こうした経緯もあって、おそらく文化的・政治的状況のために、クレンペラーが第2次大戦後にヨーロッパに戻ったあとも、クレンペラーと戦前因縁のあったベルリン国立歌劇場は一切の接触を断ったままで、ベルリン・フィルとRIAS響がクレンペラーを客演に招いているものの、「ベルリンでのクレンペラー」の演奏の絶対数は決して多いとは言えない状況なので、こうしてまとめてリリースされる意義はきわめて大きいと言えるだろう。
しかも、すべての収録内容が、オリジナル・マスターからの初の正規復刻というのはやはり大きなポイントと思われる。
このたびのセットには、厳格な対位法処理により金字塔として名高いベートーヴェンと奥深いモーツァルトをはじめ、師マーラーの交響曲と、クレンペラーがもっとも得意としていたプログラムで、ファンにはよく知られている演奏が大半を占める一方で、シュナーベルに師事し、ベートーヴェン弾きとして知られたリーベンスアーム(1906 ケーニヒスベルク生まれ)をソリストに迎えたピアノ協奏曲第3番と、クロール時代の記憶も強烈なヒンデミットという、おそらく初出と思われる音源が含まれているのも見逃せないところだ。
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