2022年05月31日
高橋多佳子曰く「自分が成長していくためには欠かせない存在」🤔ショパンの作品の中で、演奏技術、音楽的内容の観点からも最高峰のエチュード全集🎵
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1990年、第12回ショパン国際ピアノコンクールで第5位に入賞して以来、実力派ピアニストとして活躍している高橋多佳子。
かつて発売されていた「ショパンの旅路」からエチュード集を抜粋したものであるが、演奏内容、音質ともに高水準の録音と高く評価したい。
高橋自身が「自分が成長していくためには欠かせない存在」というショパンの作品。
なかでも演奏技術、音楽的内容の観点からも最高峰の傑作とされているエチュード集を、高橋は麗しく艶やかな音で弾き上げている。
2010年は、ショパンの生誕200年ということもあって、数々の新録音が発売されるとともに、既発盤の再発売も数多く行われた。
その秋には、ポリーニなどのショパン弾きの高音質盤も発売された。
それだけに、振り返ってみればショパンの数々の演奏を聴き比べる環境が整った恵まれた1年であったのではないか。
当時はネット配信を知る由もなかった筆者も、予算とのにらみ合いの中で、できるだけ数多くの録音を拝聴してきたつもりである。
本盤の高橋のエチュード集も、それらの数多くの名盤の中でも、十分に存在感を発揮しているように思う。
エチュード集は、単なる練習曲ではなく、弾きこなすには相当な技量が必要であるが、高橋の演奏は、技術偏重の演奏ではない。
もちろん、ショパン国際コンクール入賞者ならではの技量はベースにあるのだが、むしろ内容重視。
どの曲をとっても、高橋の同曲にかける愛情と、女流ピアニストならではの繊細さに満ち溢れている。
それでいて、一本芯の透った、何者にも揺るがされることにない力強さが漲っている。
いい意味でバランスの取れた名演と言えるのではないだろうか。
ここからはあくまで筆者自身の持論であるが、ピアニスティックな作品に取り組むのはあくまで通過点に過ぎないのではないか。
ショパン弾きを目指すのは結構なことであるが、コンクールを通過した後に伸び悩んだ先人を嫌というほど見せつけられてきたからだ。
将来性のある彼女に限って、ベートーヴェン、モーツァルト、バッハを弾いて化けの皮が剝がれることはないとは思うが、少し気になっている。
DSDリマスタリングによる高音質も、本盤の価値を大いに高めることに貢献している。
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