2014年01月03日
マタチッチ&N響のベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」(1966)
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これは素晴らしい名演だ。
なんという力強さと強固な意思、そして壮大にして雄弁で、それらが凝縮された巨大さ。
これは、実に厚みのある「第9」で、年の瀬に聴くにふさわしいどっしりとして、しかも暖かみのある演奏だ。
「第9」を聴いて感動するなど何年ぶりのことだろう。
演奏、録音とも垢抜けないものだが、ここには現代のクラシック音楽が失ってしまったものがはちきれんばかりに詰まっている。
マタチッチは、フルトヴェングラーらの生きていた時代の証言者であり、この「第9」は、今のN響と比べてアンサンブルなど荒いものの、音楽は熱気に満ち溢れている。
マタチッチのベートーヴェンに対する共感と尊敬の念がそうさせたのであろうか。
全体を通して、各楽器がしっかりと音を鳴らして、そして心がこもっていて熱い演奏だ。
フルトヴェングラーなどの、伝説的な巨匠時代の名残であり、1960年代、日本の音楽界の発展期にこんな名指揮者と名演を繰り広げていたN響、スケールの大きい不滅の名演と言える。
現代のスマートなベートーヴェンを聴きなれた耳には奇異に聴こえるかも知れない。
決して機能的でないオーケストラの朴訥な音と相俟って、田舎くさく聴こえるかも知れない。
しかし、その音楽のなんと熱いことであろうか。
特にフィナーレのこれ以上は望めないスケールの合唱団を従えての怒涛のクライマックスは圧巻。
N響を最も燃えさせた名指揮者、マタチッチ最大の遺産の一つであり、最近の指揮者の軽妙浮薄な音楽とは対をなす立派な演奏と評価したい。
若干録音は古いが、こういうCDの発売に心から拍手を送りたい。
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