2014年01月09日
インバル&都響のチャイコフスキー:交響曲第5番
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インバルは、有り余るパッションを秘めながらも、表面に現れた音楽は実に抑制的。
得意とするマーラーの交響曲にしても、抑えられた表現が目立ち、やや物足りなさを感じるのも否めない。
しかし、このチャイコフスキーは、これまで抑えてきたインバルのパッションが爆発したような濃厚な表情づけの熱い名演になっている。
爆演と言ってもいいかもしれない。
インバルが、これほどまでに個性的で熱い演奏をする指揮者だとは思わなかった。
第1楽章は実にスローテンポの序奏部で開始されるが、主部に入ってからは緩急自在のテンポの連続。
時には大見えを切るような箇所も見られるが、決してやり過ぎの印象を与えることはない。
かの小林研一郎の名演を思わせるような個性的な解釈と言うことができるだろう。
第2楽章は、特にホルンソロをレガートをかけずに吹奏させるなども他の演奏には見られないものだし、終結部の運命の動機が再現する箇所の突然のスローダウンなど、初めて聴くような感動を覚える。
第3楽章の流れるようなワルツも、あたかもマーラーのレントラー舞曲を聴くような楽しさだし、終楽章も、第1楽章と同様にテンポを目まぐるしく変化させるなど、インバルの内に秘められたパッションが爆発する。
録音も良く、インバルと東京都交響楽団のコンビも、3作目にして漸く軌道に乗ってきた感じだ。
インバルも、マーラーなどでこのような熱い解釈をすれば、どれだけ感動的な名演に仕上がることだろうか。
既にインバルのマーラー新録音は進行中であり、目が離せないところだ。
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