2014年01月04日
ヴァント&シュトゥットガルト放送響のブルックナー:交響曲第9番
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1979年6月24日 オットーボイレン、ベネディクト修道院バジリカ聖堂に於けるステレオ(ライヴ)録音。
荘厳な中にもロココ様式ならではの美しさが漂うオットーボイレンのベネディクト修道院にあるバジリカ聖堂。
日本では、ヨッフム指揮コンセルトヘボウ管によるブルックナー第5番の響きの豊かなライヴ録音で有名になったこの場所で、なんとギュンター・ヴァントがブルックナーの第9番を演奏していた。
まず驚くのは音質の良さ。
機材の優秀さやマイク・ポジション選定の巧みさもあってか、ライヴ録音ながら、同時期のケルン放送響とのスタジオ録音よりも明らかに音質が良く、特に深みのある低音域を軸とした強烈なトゥッティは迫力満点の聴きものとなっている。
間接音が豊かなため、管楽器の音も実に潤い豊かだし、また、それゆえブルックナー特有の「休止」もここでは大変に効果的。
オーケストラがチェリビダッケ時代のシュトゥットガルト放送交響楽団という点も見逃せないところ。
日頃からチェリビダッケに鍛えられていただけあって、ヴァントの厳しい要求にも高い集中力で見事に応え、合奏精度の高さ、アーティキュレーションの統一、ソロの洗練された美しさなど申し分ない。
その性能の良さに影響されてか、あるいはライヴということもあってか、ヴァントのアプローチも、同時期のケルン盤に較べてより表現の振幅の大きなものとなっており、劇的な性格が強まっているのがポイント。
第1楽章展開部のクライマックス(13:25〜)など驚くほかない壮絶な音楽である。
ヴァントの伝記作者でもあるヴォルフガング・ザイフェルト氏が大絶賛する気持ちも十分に納得の見事な演奏と言えるだろう。
本場ドイツで伝説となって、ブルックナー指揮者ヴァントの名声を確立した名演である。
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