2014年01月05日
カラヤン&ベルリン・フィルのベルリオーズ:幻想交響曲(1964年盤)
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正規では4種類あるカラヤンの幻想交響曲のうち演奏・録音含めベストと言えるのがこの1964年盤。
当時の重厚なベルリン・フィルと意欲漲るカラヤンが聴かせる、美しく、迫力満点の幻想交響曲だ。
カラヤンはこの交響曲を作曲者自身が付記しているように、失恋体験を告白することを意図した標題音楽として忠実に再現している。
そして、ベルリオーズが意図的に演出しようとしたサイケディックさを極上の美しさをもって幻想的に仕上げている。
特に筆者にとっては第1楽章の「夢、情熱」が白眉である。
むせ返るような、やるせない恋の感情を、弦楽器群と木管楽器群の見事なアンサンブルで表現している。
そして、颯爽としたテンポと大地を揺るがす巨大なトゥッティに思わず痺れる。
教会の豊かな残響を伴ったカラヤン・サウンドは極上で、第2楽章など本当に言葉にならないくらい美しい。
どちらかと言えば毒々しい狂気的な印象がある曲だが、カラヤンは「断頭台への行進」や「ワルプルギスの饗宴」までも美しく、そして上品に創り上げている。
そして最後の最後まで張り詰めた緊張の糸が途切れず、一気にクライマックスを作り上げるところはカラヤンならではの構成である。
終楽章コーダのティンパニと大太鼓の凄まじい重低音に導かれ炸裂するベルリン・フィルのフルパワーは圧巻。
さすがにカラヤン&ベルリン・フィルにこの手の楽曲を演奏させると上手い。
とにかく、美しさではこの盤の右に出る演奏にはお目にかかっていない。
録音も力感&スケール感不足の新盤に比べ重厚感あり、リアルで良い。
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