2014年01月06日

ベロフのドビュッシー:12の練習曲、他(新盤)


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



実に素晴らしい名演だ。

本盤に収められているのはベロフによる2度目のドビュッシーのピアノ作品全集の中から「12の練習曲」を軸として、「見つけ出された練習曲」、「エレジー」、「アルバムの頁」などの小品が収められているが、いずれ劣らぬ素晴らしい名演と高く評価したい。

かつてベロフは、EMIにドビュッシーのピアノ作品全集を録音しており、当該演奏も、ベロフの今日の名声をいささかも傷つけることがない名演と言えるところだ。

しかしながら、演奏の持つ内容の濃さ、そして楽曲の心眼に鋭く切り込んでいくような彫りの深さ、そして各楽想を描き出していくに際してのきめの細かさにおいて、2度目の全集の各ピアノ曲の演奏は断然優れていると評価し得ると言える。

こうした演奏の深化には、ベロフが、右手の故障を克服したことも大きく影響していると言えるのかもしれない。

それにしても、何と言う美しい演奏であろうか。

ドビュッシーのピアノ作品は、いかにも印象派とも言うべきフランス風の詩情溢れる豊かな情感、そして繊細とも言うべき色彩感などを含有しているが、ベロフはそれらを研ぎ澄まされたテクニックをベースとして、内容豊かに、そして格調の高さをいささかも失うことなく描き出している。

表情の変転なども巧みに行っており、加えて、演奏の端々から漂ってくるフランス風の瀟洒な味わいには抗し難い魅力に満ち溢れている。

ドビュッシーのピアノ作品を得意としたピアニストには、ギーゼキングをはじめとして、フランソワ、ミケランジェリなどあまたの個性的なピアニストが存在している。

それらはいずれも個性的な超名演を展開しており、こうした個性的という点においては、ベロフの演奏はいささか弱い点があると言えるのかもしれない。

しかしながら、演奏内容の詩情豊かさ、彫りの深さと言った点においては、ベロフによる演奏は、古今東西のピアニストによるドビュッシーのピアノ曲の名演の中でも、上位にランキングされる秀逸なものと評しても過言ではあるまい。

いずれにしても、本盤に収められた諸曲の演奏は、まさにドビュッシーのピアノ曲演奏の理想像の具現化とも言うべき素晴らしい名演と高く評価したい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 21:14コメント(0)トラックバック(0)ドビュッシー | ベロフ 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ