2014年01月14日
クナッパーツブッシュ&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第8番(1961年ライヴ)
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1961年10月29日 ウィーン・ムジークフェラインザールに於けるライヴ録音(モノラル)。
かつて筆者が購入した海賊盤は音質が劣悪で、古ぼけた音が遠くの方から響いてくるようだった。
それでも、ブルックナーという作曲家の雄大さ、クナの演奏の物凄さには魅せられたことをついこの間のことのように覚えている。
クナ唯一のウィーン・フィルとの「ブル8」の解釈は驚くほどミュンヘン・フィル盤2種に似ている。
この時点ですでに1963年の演奏が確立していたのだと言える。
音は若干悪いがオケはやはり上だ。
曲のどこをとっても素晴らしい演奏だが、たとえば第3楽章における弦楽器の艶やかな音はさすがにウィーン・フィルであり、第4楽章のコーダを聴いていると、当日の会場では途方もない大音響が鳴り響いていたのだろうと想像出来る。
こうした底知れぬパワーもウィーン・フィルならではである。
しかし、流麗な分あのゴツゴツした魅力や、息を呑むようなダイナミズムはミュンヘン・フィル盤に一歩譲る。
しかし、これだけを採れば超名演であることは確かで、仮にミュンヘン・フィル盤2種が存在しなかったら、こちらのほうが伝説的名演と言われたであろう。
録音はモノラルなのに、このマスターからの復刻音は素晴らしいものであり、ステレオのような定位感があるのが特色だ。
音質は鮮明でフレッシュ。弦の艶、豪快な金管、打楽器の迫真的な響き、柔らかさより硬いくらい鮮明な印象だ。
これでステレオだったら、いや、もうあと少し音が良かったらミュンヘン・フィル盤2種と人気を分けた事は確実であろう。
筆者としては、クナッパーツブッシュの演奏記録の中では、最晩年の2種のミュンヘン・フィル盤、そしてこのウィーン・フィル盤をベスト3にしたいと思う。
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