2014年01月31日
クナッパーツブッシュ&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第3番/ワーグナー:ジークフリート牧歌
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
廃盤になって久しかったクナッパーツブッシュの「ブル3」デッカ録音が、テスタメントから復活した。
まず何より当時の録音ではデッカの音は他社の追随を許さぬ飛び抜けたものだ。
テスタメントの復刻は何度でも聴きたくなるような素晴らしい音質で、空気まで芳しく香ってくるような名録音である。
モノラル後期にセッション・レコーディングされたこの録音は、当時、RCAと並んで最先端の技術力を誇ったデッカならではの音の良さが魅力でもあり、往年のウィーン・フィルの濃厚なサウンドを克明な音質で愉しむことが可能だ。
とはいえ最大のポイントはやはりクナッパーツブッシュのユニークな音楽づくりにあると言えるであろう。
ここではブルックナー、ワーグナーというクナッパーツブッシュ得意のレパートリーがとりあげられていることもあって、非常に聴きごたえのある仕上がりとなっている。
ウィーン・フィルの「ブル3」はこの盤の他シューリヒト、ベームがありいずれも必聴の名盤だが、もし1枚を選ぶとすれば問題なくこの盤になる。
あえて改訂版を選択したクナッパーツブッシュのワーグナー的な響きのこの音楽を、ブルックナー演奏では真の実力を発揮するウィーン・フィルとデッカの素晴らしい録音で愉しむことができる。
根本的には素朴な演奏で、テンポは遅く、メロディはとても美しく(特に弦楽器のふくよかな音の響きはウイーン・フィルならでは)、曲の組み立てのスケールは大きく、蕩々と音楽が奏でられる。
想像の世界だが、古き良きウイーンの息吹が底流に脈々と流れてくるような駘蕩とした感があり、指揮者もオケもブルックナーに深く没入しているのが伝わってくる。
ジークフリート牧歌も勿論究極の名演。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。