2014年09月09日

カザルスのバッハ:無伴奏チェロ組曲


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バッハの無伴奏チェロ組曲はあらゆるチェリストにとっての聖典とも言うべき不朽の名作であり、本盤のカザルスによる演奏を嚆矢として、錚々たるチェリストが数々の演奏を遺してきている。

カザルスによる本演奏は1936〜1939年のSP期の録音であり、その後に録音された他のチェリストによる演奏と比較すると音質は極めて劣悪なものである。

そして、単に技量という観点からすれば、その後のチェリストによる演奏の方により優れたものがあるとも言えなくもない。

演奏スタイルとしても、古楽器奏法やオリジナル楽器の使用が主流とされる近年の傾向からすると、時代遅れとの批判があるかもしれない。

しかしながら、本演奏は、そもそもそのような音質面でのハンディや技量、そして演奏スタイルの古さといった面を超越した崇高さを湛えている。

カザルスのまさに全身全霊を傾けた渾身のチェロ演奏が我々聴き手の深い感動を誘うのであり、かかる演奏は技量や演奏スタイルの古さなどとは別次元の魂の音楽であり、我々聴き手の肺腑を打つのに十分な凄みがある。

その後、様々なチェリストが本演奏を目標として数々の演奏を行ってはきているが、現在においてもなお、本演奏を超える名演を成し遂げることができないというのは、カザルスのチェロ演奏がいかに余人の及ばない崇高な高峰に聳え立っていたのかの証左である。

いずれにしても、カザルスによる本演奏は、バッハの無伴奏チェロ組曲を語る時に、その規範となるべき演奏として第一に掲げられる超名演であるとともに、今後とも未来永劫、同曲演奏の代表盤としての地位を他の演奏に譲ることはなく、普遍的価値を持ち続けるのではないかとさえ考えられる。

前述のように、本演奏は音質面のハンディを超越した存在であるが、それでも我々聴き手としては可能な限り良好な音質で聴きたいというのが正直な気持ちである。

筆者としても、これまで輸入CD盤やリマスタリングされた国内CD盤(EMI)、さらにはナクソスやオーパスなどによる復刻など、様々な盤で本演奏を聴いてきており、最も優れた復刻はオーパス盤であったが、現在では入手難である。

先般発売されたSACD盤(これが決定盤になると考えられる)は未聴であるが、それでも2010年に行われた新たなリマスタリング盤は、かなり聴きやすい音質に生まれ変わったところである。

いずれにしても、カザルスによる歴史的な超名演を、新リマスタリングによる比較的良好な音質で味わうことができるのを歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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