2022年08月14日

👍フルトヴェングラー復刻競争にとどめをさすかのような、レーザーによる非接触方式(エルプ)による画期的復刻「究極のウラニアのエロイカ」


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フルトヴェングラーによる「エロイカ」については、かなり多くの録音が遺されており、音質面を考慮に入れなければいずれ劣らぬ名演であると言えるが、ウィーン・フィルに限れば最高峰の名演は本盤に収められた「ウラニアのエロイカ」(1944年)と1952年のスタジオ録音であるというのは論を待たないところだ。

1952年盤が荘重なインテンポによる彫りの深い名演であるのに対して、本盤の演奏は、いかにも実演のフルトヴェングラーならではのドラマティックな名演である。

第1楽章からして、緩急自在のテンポ設定や思い切った強弱の変化、そして大胆なアッチェレランドを駆使するなど、これ以上は求め得ないようなドラマティックな表現を展開している。

第2楽章の情感のこもった歌い方には底知れぬ深みを感じさせるし、終楽章の終結部に向けて畳み掛けていくような気迫や強靭な生命力は、我々聴き手の肺腑を打つだけの圧倒的な迫力を誇っている。

このように、本演奏と1952年盤は同じ指揮者による演奏とは思えないような対照的な名演であるが、音楽の内容の精神的な深みを徹底して追求していこうというアプローチにおいては共通している。

ただ、音質が今一つ良くないのがフルトヴェングラーの「エロイカ」の最大の問題であったのだが、1952年盤については、EMIがSACD化を行ったことによって信じ難いような良好な音質に蘇ったところであり、長年の渇きが癒されることになった。

他方、本演奏については、これまではオーパスによる復刻盤がベストの音質であったが、1952年盤がSACD化された今となっては、とても満足できる音質とは言い難いものがあった。

ところが、次にターラレーベルによるSACD化によって、さすがに1952年盤ほどではないものの、オーパスなどのこれまでの復刻CDとは次元の異なる良好な音質に生まれ変わったところであり、筆者もこれこそが「ウラニアのエロイカ」の決定盤として愛聴してきたところだ。

しかし今般、アルトゥスレーベルから、フルトヴェングラー復刻競争にとどめをさすかのような、レーザーによる非接触方式(エルプ)による画期的復刻で、かつてない鮮度と驚きの音質のディスクが登場した。

1940年代の録音にもかかわらず、ダイナミックレンジの広さからして他盤の追随を許さず、フルトヴェングラーの極限のピアニッシモまでもが体感できる。

一例を挙げれば、葬送行進曲の最後のピアニッシモの空気感まで再現し、まるで幻のマスターテープを聴くかのようだ。

いずれにしても、「ウラニアのエロイカ」を現在求め得る最高音質CDで聴くことができる喜びを大いに噛み締めたい。

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classicalmusic at 20:22コメント(0)ベートーヴェン | フルトヴェングラー 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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