2014年02月02日
セル&クリーヴランド管のドヴォルザーク:スラヴ舞曲全集
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全盛時代のセル&クリーヴランド管弦楽団による演奏の凄さを味わうことができる圧倒的な超名演だ。
セル&クリーヴランド管弦楽団は、「セルの楽器」とも呼称されるほどの鉄壁のアンサンブルを誇った名演奏の数々を展開した稀代の黄金コンビであった。
すべての楽器セクションがあたかも一つの楽器のように聴こえるという精緻にしてまさに完璧な演奏の数々を繰り広げていたのである。
もっとも、そうした完全無欠の演奏が、ある種の技量に偏ったメカニックな冷たさを感じさせたのも否めない事実であり、とりわけ1960年代の半ば頃までの演奏にはそうした演奏があまた散見されていた。
もっとも、理由はよくわからないが、ドヴォルザークやスメタナなどのチェコ音楽、そして独墺系の作曲家の中ではとりわけシューマンの音楽については、1960年代後半以降の最晩年の演奏において垣間見せた、情感豊かで柔軟性のある円熟の名演の数々を披露していた。
特に、ドヴォルザークやスメタナなどのチェコ音楽には、ハンガリーの隣国の音楽ということもあり、深い愛着と理解を有していたと言えるのかもしれない。
本盤に収められたドヴォルザークのスラヴ舞曲全集も、実に素晴らしい圧倒的な超名演だ。
いずれの楽曲も一糸乱れぬ鉄壁のアンサンブルを駆使した、まさに完全無欠の演奏を展開しており、おそらくはオーケストラ演奏としてパーフェクトなものとさえ言えるだろう。
それでいて、1962〜1965年にかけての演奏であるが、この時期のセルの欠点でもあったある種のメカニックな冷たさなどはいささかも感じさせず、どこをとってもチェコの民族色溢れる豊かな情感に満ち溢れているのが素晴らしい。
ドヴォルザークのスラヴ舞曲全集の名演としては、クーベリック&バイエルン放送交響楽団による演奏(1973〜1974年)や、ノイマン&チェコ・フィルによる2度目の演奏(1985年)などが掲げられるが、本盤のセル&クリーヴランド管弦楽団による演奏も、これらの名演に肉薄する圧倒的な超名演と高く評価したい。
音質は、1960年代のスタジオ録音であるものの、従来盤でも比較的良好な音質であり、セル&クリーヴランド管弦楽団による鉄壁のアンサンブルを駆使した完全無欠の演奏の凄みを味わうには十分な音質である。
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