2014年02月04日

田部京子のブラームス:後期ピアノ作品集


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クラシック音楽の世界には、この世のものとは思えないような至高の高みに達した名作というものが存在する。

ロマン派のピアノ作品の中では、何よりもシューベルトの最晩年に作曲された最後の3つのソナタがそれに相当するものと思われるが、それに次ぐ作品は、諸説はあるとは思うが、ブラームスの最晩年のピアノ作品ということになるのではないだろうか。

いかにもドイツ色濃厚で、重厚で分厚い作品を数多く作曲してきたブラームスとしても、最晩年のピアノ作品については、その後の十二音音楽や無調音楽に通じる必要最小限の音符による簡潔な書法をとるなど、これまでとは全く異なる作風を垣間見せており、その神々しいとも言うべき深みは、前述のシューベルトによる最後の3つのソナタにも比肩し得るだけの崇高さを湛えていると言っても過言ではあるまい。

これだけの至高の名作であるだけに、これまで数多くの有名ピアニストによって様々な名演が成し遂げられてきた。

個性的という意味では、グールドやアファナシエフによる演奏が名高いし、人生の諦観が色濃く漂うルービンシュタインによる懐の深い演奏もあった。

また、千人に一人のリリシストと称されるルプーによる極上の美演も存在している。

このような海千山千のピアニストによるあまたの名演の中で存在感を発揮するのは並大抵のことではないと考えられるが、田部京子による本演奏は、その存在感を如何なく発揮した素晴らしい名演を成し遂げたのではないだろうか。

田部京子による本演奏は、何か特別な個性を施したり、はたまた聴き手を驚かせるような斬新な解釈を行っているというわけではない。

むしろ、スコアに記された音符を誠実に音化しているというアプローチに徹していて、演奏全体としては極めてオーソドックスな演奏とも言えるだろう。

とは言っても、音符の表層をなぞっただけの浅薄な演奏には陥っておらず、没個性的で凡庸な演奏などということも決してない。

むしろ、徹底したスコアリーディングに基づいて、音符の背後にあるブラームスの最晩年の寂寥感に満ちた心の深層などにも鋭く切り込んでいくような彫りの深さも十分に併せ持っており、同曲に込められた奥行きの深い情感を音化するのに見事に成功していると言っても過言ではあるまい。

いずれにしても本演奏は、同曲のすべてを完璧に音化し得るとともに、女流ピアニストならではのいい意味での繊細さを兼ね備えた素晴らしい名演と高く評価したい。

演奏全体に漂う格調の高さや高貴とも言うべき気品にも出色のものがあると言えるだろう。

音質は、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音であり、田部京子による素晴らしい名演の価値をより一層高めるのに大きく貢献していることを忘れてはならない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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