2014年02月17日

バーンスタイン&ニューヨーク・フィルのホルスト:惑星/ブリテン:4つの海の間奏曲


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バーンスタインはホルストの組曲『惑星』を一度だけスタジオ録音している。

バーンスタインは、晩年に自らのレパートリーの再録音をDGに数多く行ったことから、もう少し長生きしていれば同曲の再録音をウィーン・フィルなどと行った可能性もあるが、晩年の芸風に鑑みれば、再録音が実現することが果たして良かったかどうかは疑問であるとも言える。

というのも、バーンスタインの晩年の演奏は、表情づけは濃厚の極みになるとともに、テンポは異常に遅くなったからだ。

マーラーの交響曲・歌曲やシューマンの交響曲・協奏曲については、かかる晩年の芸風が曲想に見事に符号し、圧倒的な超名演の数々を成し遂げるのに繋がったが、その他の大半の楽曲、とりわけ独墺系以外の作曲家の作品については、例えばチャイコフスキーの交響曲第6番、ドヴォルザークの交響曲第9番、シベリウスの交響曲第2番など、箸にも棒にもかからない凡演を繰り返したところである。

ところが、バーンスタインがニューヨーク・フィルの芸術監督をつとめていた1970年までは、こうした晩年の大仰な演奏とは別人のような演奏を行っていた。

良く言えば、躍動感溢れる爽快な演奏、悪く言えばヤンキー気質丸出しの底の浅い演奏。

もっとも、バーンスタインらしさという意味では、この当時の演奏を評価する聴き手も多数存在しているところであり、演奏内容の浅薄さはさておき、筆者としても当時のバーンスタインの思い切りのいい躍動感溢れる爽快な演奏を高く評価しているところだ。

本盤に収められた組曲『惑星』は、ニューヨーク・フィルの音楽監督を退任した1年後の演奏ではあるが、かかる躍動感溢れる爽快な芸風は健在。

「火星」の終結部など、いささか力づくの強引な荒々しささえ感じさせる箇所がないわけではないが、楽曲が組曲『惑星』だけに違和感など微塵も感じさせることがない。

また、こうした標題音楽だけに、当時のバーンスタインの演奏の欠点でもあった、演奏の底の浅さなども致命的な欠陥にはならず、英国音楽ならではの詩情にはいささか不足するきらいはあるものの、強靱な迫力と躍動感に満ちた素晴らしい名演と高く評価したい。

併録のブリテンの「4つの海の間奏曲」は、組曲『惑星』以上にバーンスタインの多彩な才能を感じさせる超名演であり、演奏の持つ強靭な生命力や気迫という意味においては、最晩年のボストン交響楽団との名演(1990年)よりも優れた名演と評価し得るものと考えられるところだ。

ニューヨーク・フィルもバーンスタインの統率の下、その技量を十二分に発揮した渾身の名演奏を展開しているのが見事である。

音質は、従来盤が1971年のスタジオ録音だけに今一つの平板なものであったが、数年前に発売されたシングルレイヤーによるマルチチャンネル付きのSACD盤が圧倒的な高音質である。

そもそも、マルチチャンネルとシングルレイヤーの組み合わせは他にも殆ど例がないだけに、SACDの潜在能力を最大限に発揮した究極のSACD盤として、極めて希少なものである。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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