2014年02月09日
メンゲルベルク/ブラームス:交響曲全集
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今までありそうでなかったメンゲルベルク&コンセルトヘボウ管によるブラームス:交響曲全集セット化。
演奏は、第1番フィナーレに見られるような、コーダをどこまでも延ばすような過激な表現意欲に満ちており、この辺りはミュンシュなどに強い影響を与えていることがわかる。
第3番は、一番録音年代が古いものの実に良い音質で、トロトロに甘美なロマン主義演奏の最右翼である。
第4番は、古典的風格を守っておりグイグイと引張る推進力に敬服する。
第2番も圧倒的な逞しさを誇る名演。
考えてみると、1940年というのは、ブラームスが亡くなってからまだ50年も経っていないわけで、ヨーロッパにはまだブラームスの面影があったのだろう。
現代の理路整然とした演奏と比較すると、大胆なテンポ、起伏の大きな演奏となっているが、先にも述べたように音楽が語りかけてくるような力をもっている。
例えば、カラヤンのブラームスが美しい彫像を見るような思いを抱かせるとすると、メンゲルベルクのそれは、生々しく生きている。
それぞれのシンフォニーを書いた30代、40代さらに晩年のブラームスが伝わってくる。
これはクラシックに限ったことではないのだが、こうした自由で大胆な音楽表現がなくなってしまったのは淋しい。
正確であること、形が美しくあること、美しい響きであることだけが、すべてではないはずだ。
CD化に当たっての音質補正にも無理がなく、演奏の細部がよくわかる。
既出の盤があるものはノイズの取り過ぎで、真の音が削がれているのに対し、MEMORIES盤はノイズをむしろ残してエコーを付けたりしない誠実な復刻に好感が持てる。
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