2014年02月14日

ショルティ&シカゴ響のドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、交響詩「海」、ラヴェル:ボレロ


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フランス音楽の粋とも言うべきドビュッシーの牧神の午後への前奏曲、交響詩「海」、そしてラヴェルのボレロが収められているが、本盤の各楽曲の演奏は、そうしたフランス音楽ならではのエスプリ漂う瀟洒な味わいを期待する聴き手には全くおすすめできない演奏である。

本演奏にあるのは、オーケストラの卓抜した技量と機能美。

まさに、オーケストラ演奏の究極の魅力を兼ね備えていると言えるだろう。

このような演奏は、とある影響力の大きい某音楽評論家を筆頭に、ショルティを貶す識者からは、演奏が無機的であるとか、無内容であるとの誹りは十分に予測されるところである。

しかしながら、果たしてそのような評価が本演奏において妥当と言えるのであろうか。

本演奏におけるショルティのアプローチは、例によって強靭で正確無比なリズム感とメリハリの明晰さを旨とするもの。

このような演奏は、前述のようなフランス音楽らしい瀟洒な味わいを醸し出すには全くそぐわないが、印象派の大御所として繊細かつ透明感溢れるオーケストレーションを随所に施したドビュッシーや、管弦楽法の大家とも称されたラヴェルが作曲した各楽曲の諸楽想を明瞭に紐解き、それぞれの管弦楽曲の魅力をいささかの恣意性もなく、ダイレクトに聴き手に伝えることに成功している点は高く評価すべきではないだろうか。

そして、一部の音楽評論家が指摘しているような無内容、無機的な演奏ではいささかもなく、むしろ、各場面毎の描き分け(特に、交響詩「海」)や表情づけの巧みさにも際立ったものがあり、筆者としては、本演奏を貶す音楽評論家は、多分にショルティへの一方的な先入観と偏見によるのではないかとさえ思われるところである。

それにしても、我が国におけるショルティの評価は不当に低いと言わざるを得ない。

現在では、楽劇「ニーベルングの指環」以外の録音は殆ど忘れられた存在になりつつある。

これには、我が国の音楽評論家、とりわけ前述のとある影響力の大きい某音楽評論家が自著においてショルティを、ヴェルディのレクイエムなどを除いて事あるごとに酷評していることに大きく起因していると思われるが、かかる酷評を鵜呑みにして、例えば本演奏のような名演を一度も聴かないのはあまりにも勿体ない。

いずれにしても、本演奏は、ショルティ&シカゴ交響楽団という20世紀後半を代表する稀代の名コンビによる素晴らしい名演と高く評価したい。

そして、かかる名演が、今般のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CDによって、ショルティの本演奏へのアプローチがより鮮明に再現されることになったのは極めて意義が大きい。

とりわけ牧神の午後への前奏曲における類稀なるフルートソロが鮮明に再現されていることや、ボレロにおける各楽器セクションが明瞭に分離して聴こえるのは殆ど驚異的ですらある。

いずれにしても、ショルティ&シカゴ交響楽団による素晴らしい名演を、現在望みうる最高の高音質SACDで味わうことができるのを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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