2014年02月12日

モイセイヴィッチのベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番、第5番「皇帝」


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ベンノ・モイセイヴィッチは20世紀最大のピアニストの一人である。

レシェティツキー門下の巨匠ベンノ・モイセイヴィッチの演奏は、ラフマニノフとホフマンの両巨頭に絶賛されたように、楽譜に対して「音楽的に」自由に対処するロマン派的演奏であるが、それはベートーヴェンの演奏に於いても最良の意味で如何なく発揮されている。

技巧に苦労を感じさせない、いわば天衣無縫型のピアニストの最右翼であるモイセイヴィッチ。

軽快さと柔軟さに富んだ指さばきは当代無二で、ラフマニノフやホフマンといったトップクラスのピアニストと比肩されうるものであった。

若き天才性の具現である第3番と、円熟の極みである第5番「皇帝」の名盤。

前者はマルコム・サージェント指揮フィルハーモニア管弦楽団との共演。

後者はジョージ・セル指揮ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団との共演。

第3番のラルゴの歌わせ方の美しさ、「皇帝」の終楽章の舞曲的闊達さもさることながら、このCDにおける白眉は、第3番第1楽章のC・ライネッケによるカデンツァで、まさに一陣の吹き抜ける風のごとく流麗で、その音の粒の揃い方の見事さに匹敵する妙技は、他では聴き得ないものだ。

第5番「皇帝」はセルのストイックで精緻を極めたオーケストラ演奏と、モイセイヴィッチの貴族的で理性的な処理が見事である。

このCDに収録されている1950年録音の「皇帝」でもっともすぐれている部分は、切ないほどに美しいレガート楽節に満ちた、全編美しさが持続する緩徐楽章だ。

どちらも瑞々しさと優雅の融合した非常に高度な意味での技術と風格を兼ね備えたもので、これらの曲の一つの頂点として引き継がれる価値があるものと思う。

NAXOSの復刻もオリジナル(前者はテープ、後者はSP)の音色を生かした素晴らしいもので、ライナーノートによれば本来の演奏を傷付けないようにクリックノイズの除去程度の処理のみを行なっているそうである。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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