2014年02月17日
マズア&ゲヴァントハウスのメンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」&第4番「イタリア」
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ドイツ音楽の王道をゆく名指揮者、クルト・マズアは30年近くにわたりライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長を務めた。
そしてメンデルスゾーンもまた、シュターツカペレ・ドレスデンに次ぐ歴史を持つこのオーケストラの指揮者であった。
メンデルスゾーンは交響曲第3番「スコットランド」を自身の指揮で初演した。
このCDはメンデルスゾーンゆかりの古豪オーケストラによるなかなかの好演で、メンデルスゾーンの伝統を継承する彼らのこの録音はまさにこの2曲のスタンダードといえる正統的で理想的な演奏を聴かせてくれる。
2曲ともきめが細かく潤いのある演奏で、「スコットランド」の第1楽章などには、そうしたことが特によく表れている。
第2楽章はさらに機敏な感覚が欲しいが、第3楽章はさわやかさに堂々とした力感が加わって充実した音楽となっている。
終楽章も密度が高い。
「イタリア」は実に生気溢れる演奏で、くっきりとした造形感をもった骨太の名演。
全体によく歌い、流れる表現で、マズアのスケールの大きさを感じさせる。
清楚でさっぱりした、だが乾いていない音色、軽やかに歌う節まわし、歯切れのよいリズム、とりわけ清冽なヴァイオリン・パートにはうっとりさせられる。
ゲヴァントハウス管の伝統の渋くコクのある響きが、四半世紀にわたるこのオーケストラの常任指揮者を務めたマズアの無骨とも言える重厚な表現とマッチして、これしかないという絶妙さを示しているのは事実である。
マズア嫌いな人も多くいるだろうし、筆者もまたそうなのだが、これは唯一お薦めできるマズアの演奏である。
筆者としても、マズアでは唯一といってよいお気に入りのCDである。
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