2014年02月17日
コンヴィチュニー&ゲヴァントハウスのメンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」
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フランツ・コンヴィチュニー晩年の録音で、「スコットランド」はコンヴィチュニー(1962年7月没)とライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による最後の演奏記録のひとつ。
数ある「スコットランド」の中でも古いマニアには知られた渋い名演。
隠れた名演のひとつであり、その演奏はひたすらに骨太でスケールが大きく造形美に溢れ格調が高い。
遅めのテンポ設定をとり、構築的にも隙がなく、響きの密度が高い。
指揮者の腰の座った情念と楽曲の様式美が微妙に織り重なった演奏で、最後まで飽きさせない。
冒頭や第3楽章の古色蒼然とした渋い響きには滅多に聴けない風格があり、楽曲の真髄を極めている。
虚飾の全くない噛んで含めるような実直そのものの演奏は、効果ばかり狙う音楽家からは得られない熟成された味わいがある。
そして、この指揮者としては、珍しく豊麗に歌う演奏である。
持ち前の丹念さがあるのは言うまでもないが、それがまた悠揚と歌う表情をつくるのに一役買っていると言える。
こうした演奏を聴くと、この指揮者の本質はロマン的であったと言うことができる。
さすがにメンデルスゾーンにゆかりのあるゲヴァントハウス管だけのことがあると思わせる味わいの深さがある。
特に弦楽の陰影のある響きと艶は幻想的な雰囲気を醸し出し、スコットランドの自然、厳しさを見事に表現している。
このコンビの録音としては、「ブル5」と双璧を成す名演と高く評価したい。
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