2014年02月19日

スヴェトラーノフ&ロシア国立響のマーラー:交響曲全集


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濃厚な情念が大爆発した第6番の凄まじい演奏をはじめ興味深い演奏が揃った全集である。

マーラーならではのオーヴァー・アクション的要素が、スヴェトラーノフの場合、まさにツボにはまった状態でサウンドに結実しており、そのブラス・セクションと打楽器セクションの織り成す嵐のような轟然とした大音響には誰もが圧倒されること請け合いだ。

特に前述の第6番は強烈で、個性的な演奏の揃ったスヴェトラーノフのディスクの中でも随一と言ってよいその思い切ったド迫力ぶりは、極端な演奏の多いこの巨匠のディスコグラフィの中にあっても最高峰と言いたくなる激しさにあふれかえっており、作品の志向するカタストローフの表現という点でも文句なしの暴れ放題。

その音の凶暴さには、スヴェトラーノフがロシア国立交響楽団を指揮したときにのみ立ちあらわれるアウラのようなものすら感じられ、改めてこのコンビのグレートな力技に感謝したくなる。

その他の作品も、すべてスヴェトラーノフ流儀に解釈されたユニークなアプローチが面白く、気品やバランスといった西側的な価値観など一顧だにしない潔さがファンには堪らない。

このように爆演の印象が強いスヴェトラーノフであるが、そればかりをこの全集に求めている人は肩透かしを喰うだろう。

テンポもそれぞれの楽器の音の出し方も最高であり、とりわけ土臭いこのオケがいい味を出している(特に管の荒々しさや粘り)。

しんみりと聴かせるところも完璧にスヴェトラーノフ流で、ラフマニノフの交響曲に通じるものがあり、面白い。

ありきたりでなく非凡で完成度の高い演奏で、理論的よりも直感的マーラーの一篇と言えよう。

マーラーの演奏は色々な演奏者によるものを聴いてきたが、ロシアの指揮者のマーラーでは、コンドラシンよりも円熟味があると言えるところであり、さらに素晴らしい出来だと思う。

そしてこのマーラー・シリーズの白眉は何と言っても第10番のアダージョ。

これこそ真実のマーラーの音楽であり、かつスヴェトラーノフ以外の何物でもない。

しっとりした弦楽器が美しく、その32分に及ぶ感動はほかに類を知らない。

これまでの演奏でマーラーに何かが足りないと感じていた人は一聴の価値ありで、こんな表現方法もあったのかと思わず驚くマーラーの交響曲全集である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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