2023年02月02日
👍炎のコバケン🔥十八番チャイコフスキー:交響曲第5番の随一の名演盤❣やりたい放題の自由奔放な演奏😲全体の造型が弛緩することがない圧巻の驚異的な至芸🧑🎨
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小林研一郎は必ずしもレパートリーが広い指揮者とは言い難いが、その数少ないレパートリーの中でもチャイコフスキーの交響曲は枢要な地位を占めている。
とりわけ、交響曲第5番は十八番としており、相当数の録音を行っているところである。
エクストンレーベル(オクタヴィア)に録音したものだけでも、本盤のチェコ・フィルとの演奏(1999年)をはじめとして、日本フィルとの演奏(2004年)、アーネム・フィルとの演奏(2005年)、アーネム・フィル&日本フィルの合同演奏(2007年)の4種の録音が存在している。
小林研一郎は、同曲を得意中の得意としているだけにこれらの演奏はいずれ劣らぬ名演であり、優劣を付けることは困難を極める。
筆者としては、エクストンレーベルの記念すべきCD第1弾でもあった、本盤のチェコ・フィルとの演奏を随一の名演に掲げたいと考えている。
小林研一郎の本演奏におけるアプローチは、例によってやりたいことを全てやり尽くした自由奔放とも言うべき即興的なものだ。
同じく同曲を十八番としたムラヴィンスキー&レニングラード・フィルによるやや速めの引き締まったテンポを基調する峻厳な名演とは、あらゆる意味で対極にある演奏と言えるだろう。
緩急自在のテンポ設定、思い切った強弱の変化、アッチェレランドやディミヌエンドの大胆な駆使、そして時にはポルタメントを使用したり、情感を込めて思い入れたっぷりの濃厚な表情づけを行うなど、ありとあらゆる表現を駆使してドラマティックに曲想を描き出している。
感情移入の度合いがあまりにも大きいこともあって、小林研一郎のうなり声も聴こえてくるほどである。
これだけやりたい放題の自由奔放な演奏を行っているにもかかわらず、演奏全体の造型がいささかも弛緩することがないのは、まさに圧巻の驚異的な至芸とも言えるところだ。
これは、小林研一郎が同曲のスコアを完全に体得するとともに、深い理解と愛着を抱いているからに他ならない。
小林研一郎の自由奔放とも言うべき指揮にしっかりと付いていき、圧倒的な名演奏を繰り広げたチェコ・フィルにも大きな拍手を送りたい。
中欧の名門オーケストラでもあるチェコ・フィルは、弦楽合奏をはじめとしてその独特の美しい音色が魅力であるが、本演奏においても、小林研一郎の大熱演に適度の潤いと温もりを付加するのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。
いずれにしても、本演奏は、小林研一郎のドラマティックな大熱演とチェコ・フィルによる豊穣な音色をベースとした名演奏が見事に融合した圧倒的な超名演と高く評価したい。
なお、併録のスラヴ行進曲は、どちらかと言うと一気呵成に聴かせる直球勝負の演奏と言えるが、語り口の巧さにおいても申し分がないと言えるところであり、名演と評価するのにいささかも躊躇するものではない。
音質は、エクストンレーベル第1弾として発売された際には通常CDでの発売であり、それは現在でも十分に満足できるものと言える。
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コメント一覧
1. Posted by 小島晶二 2023年02月02日 08:20

2. Posted by 和田大貴 2023年02月02日 09:44
素晴らしいの一言です。さすがはコバケンのチャイ5で、指揮者のほとばしる情熱が伝わってきます。その気迫と意気込みは素晴らしく、絶妙なテンポの駆け引きを演じつつもそれが全く不自然さを感じさせない彼のバランス感覚には感服させられます。第1楽章から所々でバス・トロンボーンが唸りを上げる様は圧巻ですが、やはり“コバケンも”唸りを上げその情熱がオケを奮い立たせているのが全面に現れています。第2楽章は寡黙なソロ・ホルンに絶妙な弦のハーモニーが濃厚且つ心地良く響きます。格調高い終楽章の響きも3分過ぎからかき鳴らされる弦の響きから急速に盛り上がり盛大なフィナーレを築き上げています。コバケン特有の唸り声も入っていますね(笑)。まるでコバケンの汗がスピーカーから飛んできてしまいそうな力強さがあります。テンポ感覚も変幻自在、超弩級の演奏でした。