2014年02月25日
ヤンソンス&コンセルトヘボウのマーラー:交響曲第3番
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ヤンソンス&ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団によるマーラーの交響曲チクルスの第5弾の登場だ。
前作の「第2」も名演であったが、今般の「第3」も素晴らしい名演と高く評価したい。
「第2」もそうであったが、先ずは、録音の素晴らしさについて言及しておきたい。
本盤も、これまでと同様のマルチチャンネル付きのSACDであるが、世界でも屈指の音響を誇るコンサートホールとされるコンセルトヘボウの豊かな残響を生かした鮮明な音質は、これ以上は求め得ないような圧倒的な臨場感を誇っている。
特に、マーラーの合唱付きの大編成の交響曲の録音において、オーケストラの各セクション、独唱、合唱が明瞭に分離して聴こえるというのは殆ど驚異的な高音質であり、それぞれの楽器や合唱等の位置関係までがわかるほどの鮮明さを誇っている。
かつて、マーラーの「第3」では、マーツァル&チェコ・フィルによる超優秀録音(本盤と同様にマルチチャンネル付きのSACD録音)にして素晴らしい名演(2005年)があったが、本盤も当該盤に比肩し得る極上の高音質であり、なおかつ素晴らしい名演であると言えるだろう。
「第3」は、重厚長大な交響曲を数多く作曲したマーラーの手による交響曲の中でも最大規模を誇る壮大な交響曲である。
したがって、全体をうまく纏めるのが難しい交響曲であるが、ヤンソンスは、全体の造型をいささかも弛緩させることなく的確に纏め上げるとともに、スケールの大きさを損なっていない点を高く評価したい。
そして、そのアプローチは、曲想を精緻に描き出して行くというきわめてオーソドックスで純音楽的なものであり、マーラーの光彩陸離たる音楽の魅力をゆったりとした気持ちで満喫することができるという意味においては、前述のマーツァルによる名演にも匹敵する名演と言える。
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は、前任のシャイー時代にその独特のくすんだようないぶし銀の音色が失われたと言われているが、本演奏においては、そうした北ヨーロッパならではの深みのある音色を随所に聴くことが可能であり、演奏に奥行きと潤いを与えている点を忘れてはならない。
ベルナルダ・フィンクも素晴らしい歌唱を披露しており、オランダ放送合唱団やブレダ・サクラメント合唱団、ラインモンド少年合唱団も最高のパフォーマンスを示している。
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