2014年02月27日
ホロヴィッツのショパン:ピアノ作品集
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ショパンは、ホロヴィッツが特に得意としたレパートリーのひとつだが、ジャンルにまとまった彼のショパン・アルバムは少ない。
このアルバムは、1949年から1957年までの録音から7曲を集めたモノーラル盤であり、ホロヴィッツ全盛期のショパンが味わえる。
彼の弾くショパンはあまりにも雄大で壮大、柔軟な表情付けとバリバリの男らしさを併せ持った独特な演奏は、当時の批評家の耳を翻弄したことは間違いない。
音質を含めて安定感にはやや欠けるが、独特の華麗なタッチと鋭いリズム感に、大胆な語り口を交えて進む彼のショパンは、実にドラマティックに展開する。
特に「ソナタ第2番」での驚くようなテンポ設定も聴きどころ。
「バラード第4番」「スケルツォ第1番」はスリルに満ち、聴き手の感覚に強烈に迫る魅力がある。
ショパンのピアノ音楽から即興的な妙味を引き出し、ホロヴィッツならではの世界を築いている。
注目は貴重な音源として知られている1949年録音の「バラード第4番」。
ホロヴィッツは発売を認めなかったが、何かのミスで市場に出てしまい瞬く間に消え去ったレコード。
その後EMI系からはLP、CD共に一度も復刻された事がなく、おそらくはこれが初復刻。
これのみスクラッチノイズが多いが、その他は実にクリアな音で再生されている。
よくも初期盤LPからこれだけの音を掘り起こすものだといつも感心させられる。
しかしここまでくるとイコライジング等、多少の人工臭…みたいなものも感じるが、そんな勘ぐりを起こさせるほど鮮烈な再生音である。
ファンには良し悪しを超えた価値を持つ1枚。
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