2022年08月13日
👏ホロヴィッツによって初めてピアノのレパートリーとして広く認知された👉クレメンティ:ソナタ集
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ホロヴィッツのレパートリーはかなり独特な広がりを見せていた。
ホロヴィッツによって初めてピアノのレパートリーとして広く認知された作品は、スカルラッティをはじめ、数多いが、クレメンティもそのひとり。
ホロヴィッツはスカルラッティやハイドンとともに、クレメンティのソナタに新風を吹き込んだ人といってもよい。
「教育用」のソナチネの作曲家というクレメンティのイメージを覆し、芸術作品として20世紀に蘇らせたのがホロヴィッツだった。
1955年録音の3曲を中心に収められているが、その明快で見事な音楽的息づきを感じさせる演奏は、クレメンティの音楽を見直させる。
クレメンティのソナタはホロヴィッツが弾き始めたおかげで市民権を得たような一面がある。
確かに平凡な演奏では味わえないような、豪快にして小気味のよい音楽として聴き手に迫ってくる。
彼ならではの桁違いの技巧と音楽性からこそ生み出されるのだ。
クレメンティ独特の極端な強弱法や煌びやかなパッセージ・ワークが、超人的な速さと力強さをもったホロヴィッツの華麗なピアノ奏法によって浮き立っている。
ヴィルトゥオーゾがクレメンティを弾くということは、何か理解しがたい部分があるかもしれないが、このホロヴィッツの演奏を聴くと、ヴィルトゥオーゾが弾くからこそ、それが面白いのだということを認識させてくれる。
クレメンティの本質も、時代こそ違うがヴィルトゥオーゾであったのだ。
その明快な演奏は大いに楽しめるが、クレメンティについては、他のディスクの中にもそれを含むものを見つけることができる。
いまやオリジナル楽器で演奏されることも多いクレメンティだが、ホロヴィッツのピアノによる演奏は「古典」の地位をキープし続けている。
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