2014年03月03日

バーンスタイン&ウィーン・フィルのシューマン:交響曲全集、協奏曲集


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バーンスタインによる晩年の演奏はその殆どが濃厚さの極みであり、時として異様に遅いテンポをとるなど大仰な表現が数多く散見されるところだ。

かつてのニューヨーク・フィル時代のヤンキー気質丸出しの爽快な演奏からすると、まるで人が変わったような変容ぶりである。

したがって、バーンスタインの晩年の演奏ほど賛否両論がある演奏はないのではないだろうか。

私見を申し上げれば、このようなバーンスタインによる晩年の演奏には苦手なものが多く、例えばドヴォルザークの交響曲第9番、チャイコフスキーの交響曲第6番、シベリウスの交響曲第2番など、とても聴くに堪えない場違いな凡演に成り下がっているとも考えている。

しかしながら、そのような晩年のバーンスタインが素晴らしい名演を成し遂げた楽曲がある。

それがマーラーの交響曲・歌曲であり、そしてもう一つが本盤に収められたシューマンの交響曲・協奏曲である。

このうちマーラーについては、もはや論ずる必要はないだろう。

変幻自在のテンポ設定や思い切った強弱の変化、猛烈なアッチェレランドなどを駆使してドラマティックの極みとも言うべき演奏を展開しており、あたかもバーンスタインがマーラーの化身と化したような、他の追随を許さない超名演の数々を成し遂げていた。

そして、シューマンについてであるが、バーンスタインの指揮するドイツ音楽は雄弁ではあるが薄味のものが少なくない。

名演と評価し得るものもないことはないが、それはウィーン・フィルの魅力的な美演に起因するものであると言えなくもない。

しかしながら、シューマンに関しては、ウィーン・フィルによる魅力的な美演に関わらず、交響曲にしても協奏曲にしても素晴らしい名演に仕上がっていると言えるだろう。

その理由はよくわからないが、バーンスタインがシューマンの楽曲の根底に潜む心の病巣や絶望感のようなものに、マーラーの交響曲と通底するものを感じ取っていたのかもしれない。

このように、本盤に収められた演奏はいずれもバーンスタインならではのドラマティックとも言うべき名演なのであるが、マーラーの場合とは異なり、各曲の演奏史上最高の名演とは言えないということに留意する必要がある。

交響曲第1番であればクレンペラー&フィルハーモニア管(1965年)、第2番であればシノーポリ&ウィーン・フィル(1983年)、第3番はシューリヒト&パリ音楽院管(1953年)又はジュリーニ&ロサンゼルス・フィル(1980年)、第4番はフルトヴェングラー&ベルリン・フィル(1953年)が随一の名演であり、マイスキーが渾身のチェロ演奏を披露するチェロ協奏曲を除いてベストワンの名演とは言い難いが、最大公約数的には優れた名演集と高く評価したい。

録音は、従来CD盤でも十分に満足できる音質と言えるが、数年前に発売されたSHM−CD盤が現時点ではベストの音質である。

SHM−CD盤は現在でも入手可能であり、今後購入される方には是非ともSHM−CD盤をお薦めしたい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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