2022年10月16日
シカゴからギャングが消える🧑🚒不思議な充足感🈵強靭なリズム感🪘メリハリの明瞭さ🔅ショルティ🎼ベルリオーズ:幻想交響曲/序曲「宗教裁判官」🎶
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ショルティは稀代のオーケストラトレーナーとして、もともと有数の実力を持っていたシカゴ交響楽団を更に超一流の存在に引き上げたが、そうしたショルティだけに、管弦楽の大家と称されたベルリオーズ、中でもその最高傑作とされる幻想交響曲を得意としていたことは十分に理解できるところだ。
ショルティによる同曲の代表盤と言えば、シカゴ交響楽団の音楽監督に就任して間もない頃にスタジオ録音を行った演奏(1972年)が念頭に浮かぶ。
強靭なリズム感とメリハリの明瞭さを全面に打ち出したショルティの基本的なアプローチが、同曲の性格に見事に符号しており、シカゴ交響楽団の桁外れの技量も相俟って、どこをとっても曖昧な箇所がなく、明瞭で光彩陸離たる音響に満たされた圧倒的な名演に仕上がっている。
そして、ショルティの鋼のような芯の強さに柔軟なタッチが加わり、ロマンティックな香りが立ち昇る。
第1楽章は遅めのテンポとデリケートな表情で始まるが、起伏が激しく、一旦盛り上がるとデモーニッシュなまでの凄みがある。
音響効果の高い第4、5楽章は一層ダイナミックでスケールが大きく圧倒される。
まずは文句のつけようがない名演だし、ショルティとしても会心の出来と考えたのではないかと思われる。
したがって、ショルティはシカゴ交響楽団の音楽監督在任中は、同曲を再録音することはなかった。
その後ショルティは、シカゴ交響楽団の音楽監督退任の翌年(1992年)、ザルツブルク聖霊降臨祭コンサートにおいて、満を持して20年ぶりに再録音を行った。
その新盤を聴くと明らかであるが、ショルティの特色であった強靭なリズム感とメリハリの明瞭さ、そして鉄壁のアンサンブルの凄みといった点において、旧盤に一歩譲っているというのは否めないところだ。
その点、旧盤は、超絶的な技量をベースとして一糸乱れぬアンサンブルを披露しているのが見事であり、ショルティ統率下のシカゴ交響楽団がいかにスーパー軍団であったのかを認識させるのに十分なヴィルトゥオジティを最大限に発揮している。
かかるシカゴ交響楽団の好パフォーマンスが、本演奏を名演たらしめるのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。
序曲「宗教裁判官」は未完に終わった初期オペラの序曲で、独立して出版されたものだが、演奏も素晴らしい。
音質も英デッカによる極めて優秀なものである。
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