2014年03月06日

ワイセンベルク&カラヤンのベートーヴェン: ピアノ協奏曲第3番&第5番「皇帝」(1977年東京ライヴ)


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一昨年秋にカラヤン&ベルリン・フィルの全盛時代であった1977年の来日時のベートーヴェンの交響曲全集が発売され、多くのクラシック音楽ファンの話題になったのは記憶に新しい。

昨年には、シングルレイヤーによるSACD化がなされたところであり、1970年代のスタジオ録音による全集がいまだSACD化されていない現時点においては、この1977年の来日時の全集を、カラヤンによるベートーヴェンの交響曲全集の代表盤と考えるクラシック音楽ファンも多いのではないだろうか。

それはさておき、カラヤンは1977年の来日時に、ベートーヴェンの交響曲全集だけでなく、ピアノ協奏曲全集についてもワイセンベルクとともにチクルスを行った。

筆者としても、ピアノ協奏曲全集のCD化、そして可能であればSACD盤での発売を期待していたところであるが、今般、全集ではないものの、第3番及び第5番について、しかもシングルレイヤーによるSACD盤で発売されたことは誠に慶賀に堪えないところだ。

それにしても、演奏は素晴らしい。

カラヤン&ベルリン・フィルは、ワイセンベルクとともに、ピアノ協奏曲全集の一環として、第3番(1976〜1977年)及び第5番(1974年)をスタジオ録音しているが、問題にならない。

スタジオ録音による全集の評判は一般的に芳しからざるものがあるが、それだけに、本盤の登場は、このコンビによる演奏の評価を一変させるほどのインパクトがあると言えるだろう。

ワイセンベルクによるピアノ演奏は、スタジオ録音による全集の演奏などから、カラヤン&ベルリン・フィルの中の一つの楽器と化しており、カラヤン&ベルリン・フィルによる圧倒的な音のドラマの構築の最も忠実な奉仕者であるとの不当とも言える評価を得ていたところだ。

しかしながら、本盤の演奏の登場によって、実は、ワイセンベルクもカラヤン&ベルリン・フィルにいささかも臆することなく、自らの個性を十二分に発揮しており、ワイセンベルクならではの強靭にして繊細なピアノタッチが、第3番及び第5番の各曲の楽想の隅々にまで響き渡っているのが素晴らしい。

超絶的な技量は桁外れの凄さであるが、単なる技量偏重には陥ることはない意味深さを湛えており、また、とある影響力のある音楽評論家が酷評しているような女々しさなど薬にしたくもなく、格調の高い美しさを有しているのも見事である。

そして、当然のことながら、ワイセンベルクのピアノ演奏を下支えするカラヤン&ベルリン・フィルによる演奏も豪華絢爛にして豪奢。

1977年と言えば、前述のようにまさにカラヤン&ベルリン・フィルの全盛時代。

カラヤンの体調も若干の陰りは見られつつあったものの、心身ともにベストコンディションにあった。

ベルリン・フィルも、名うてのスタープレーヤーがあまた在籍した楽団史上でも特筆すべき技量を誇った時代であり、それぞれ最高の状態にあったカラヤン&ベルリン・フィルによる演奏は、おそらくはオーケストラ演奏史上でも空前にして絶後の高水準を誇っていたのではないだろうか。

弦楽合奏の鉄壁のアンサンブル、唸るような低弦の重量感のある響き、ブリリアントなブラスセクションの響き、桁外れのテクニックを示す木管楽器群の美しい響き、そして雷鳴のように轟わたるティンパニの響きなどが見事に融合するとともに、カラヤン一流の流麗なレガートが施された、いわゆるカラヤン・サウンドに満ち溢れたまさに圧倒的な音のドラマの構築に成功していた。

本演奏においても、そうした圧倒的な音のドラマは健在であり、前述のようなワイセンベルクによる見事なピアノ演奏も相俟って、本盤の両曲の演奏は、圧倒的な超名演に仕上がっていると高く評価したい。

音質は、シングルレイヤーによるSACD盤であることもあって、圧倒的に鮮明なものになっている。

音質の鮮明さ、音場の幅広さ、そして音圧のいずれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第である。

とりわけ、ワイセンベルクのピアノ演奏とカラヤン&ベルリン・フィルの演奏が明瞭に分離して聴こえるのは殆ど驚異的ですらある。

いずれにしても、カラヤン&ベルリン・フィル、そしてワイセンベルクによる圧倒的な超名演を、SACDによる高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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